北京の12345ホットライン メガシティを支える新しい行政サービス video poster
世界人口の半分以上が都市で暮らすいま、2,100万人を超える常住人口を抱える中国の首都・北京は、メガシティならではの行政課題に直面しています。2019年に始まった市のホットライン改革「12345ホットライン」は、その解決策の一つとして注目されています。
中国の国際メディアCGTNのドキュメンタリー番組「Hotline Beijing: Pioneering megacity governance」は、このホットライン改革をめぐる12のストーリーを通じて、北京がどのように市民の声に素早く応えようとしているのかを描きます。
なぜホットライン改革が必要だったのか
番組の背景には、行政サービスへの問い合わせや苦情を受け付ける電話窓口が乱立していたという事情があります。北京市にはかつて64本ものホットラインがあり、市民にとっては「どこに電話すればよいのか分かりにくい」という課題がありました。
そこで市は、これらの窓口を一本化し、24時間365日対応する「12345ホットライン」を立ち上げました。狙いは、公共サービスへの苦情や要望に、より迅速かつ一元的に対応できる仕組みを整えることです。
メガシティ北京を支える「12345ホットライン」とは
「12345ホットライン」は、行政への問い合わせ番号を一つにまとめた公共サービス窓口です。市民は、道路の不具合から生活環境、身近なトラブルまで、さまざまな問題をこの番号一つで相談できます。
ホットラインの導入には、次のようなねらいが込められています。
- 窓口を一本化し、市民が迷わず相談できるようにすること
- 24時間体制で受け付けることで、緊急の課題にも迅速に対応すること
- 寄せられた声をデータとして集約し、都市全体の課題を分析しやすくすること
こうした取り組みは、急速に拡大する都市において、市民生活の質を守る「インフラ」の一つと位置づけられています。
12のストーリーが映し出す市民と行政の距離
ドキュメンタリー「Hotline Beijing」は、Swift Response to Public Complaints(市民の声に素早く応える)という改革のもとで起きた12のエピソードを紹介します。そこでは、市民の通報をきっかけに、関係部門が連携しながら問題解決に向けて動いていくプロセスが描かれます。
市民からの一本の電話が、現場の職員や専門家を動かし、ときには都市計画や公共サービスの改善につながっていく――その流れを具体的に追うことで、メガシティのガバナンス(都市統治)がどのように機能しているのかが浮かび上がります。
世界の大都市が学べる視点
北京の事例は、「メガシティをどう運営するか」という国際的な問いにもつながります。人口が集中し課題が複雑化するなかで、行政が市民の声をどう受け止め、どう素早く行動につなげるかは、多くの国や地域に共通するテーマです。
一つの電話番号に市民の声を集約し、それをもとに政策やサービスを改善していくという発想は、他の大都市にとっても参考になり得ます。ホットラインという仕組みそのものだけでなく、「苦情」を都市をよくするための資源と捉え直す考え方にも、注目が集まりそうです。
日々のニュースや国際情勢を追ううえでも、このような都市レベルの取り組みを知っておくことは、国家や世界の動きを読み解く新たな視点になります。北京の「12345ホットライン」は、その一例として、メガシティ時代の公共サービスのあり方を考えるヒントを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








