中国初の商業宇宙発射場から長征8号打ち上げへ 海南・文昌で準備完了
中国の新世代中型ロケット「長征8号(Long March-8)」が、南部の海南省文昌市にある同国初の商業宇宙発射場で打ち上げ準備の最終段階に入りました。日曜日の午後にロケットが発射エリアへ移送され、今後数日のうちに適切なタイミングで打ち上げ時刻が決定される予定です。
今回のポイント
- 長征8号ロケットが海南省文昌の商業宇宙発射場で発射エリアへ移送
- 環境負荷の低い液体燃料を採用した新世代ロケット
- 2023年末に完成した1号発射台の初ミッションとして位置付け
- 同発射場では11月30日に長征12号による初打ち上げが成功
- 中国の商業宇宙産業の市場規模は2019年から2023年にかけて約2.4倍に拡大
海南・文昌に整備された中国初の商業宇宙発射場
長征8号が打ち上げられるのは、南部の海南省文昌市にある中国初の商業宇宙発射場です。今回、ロケットはハイナン商業宇宙発射場の1号発射台へと移送されました。午後1時44分に移送が完了し、本格的なカウントダウンに向けた準備が整っています。
1号発射台の建設は2022年7月に始まり、2023年12月29日に完成しました。今回の長征8号の打ち上げは、この1号発射台の初の本格ミッションとなり、発射場全体の能力を検証する重要な試験と位置付けられています。
長征8号ロケットとは
長征8号は、中国航天科技集団(CASC)傘下の中国運載ロケット技術研究院が開発した新世代の中型ロケットです。推進剤には、いわゆるグリーンで環境に配慮した液体燃料が採用されており、環境負荷の低減を意識した設計となっています。
今年11月上旬には、長征8号を使った打ち上げに向けた総合リハーサルが実施され、手順や設備の確認が成功裏に完了しています。今回の移送によって、ロケットと地上設備が実際の打ち上げを想定した最終段階に入った形です。
1号発射台と長征12号、発射場の実力試験
ハイナン商業宇宙発射場は、今回の長征8号打ち上げの前に、すでに1度の打ち上げ実績を積んでいます。11月30日には、長征12号ロケットが同発射場から打ち上げられ、これが発射場としての初ミッションとなりました。
長征8号の打ち上げは、この初ミッションに続くかたちで行われるものであり、とくに1号発射台の能力を本格的に検証する試金石とされています。連続して打ち上げをこなせるかどうかは、今後の商業利用を見据えた重要なポイントです。
拡大を続ける中国の商業宇宙産業
ロケットと発射場の整備の背景には、中国の商業宇宙産業の拡大があります。産業報告によると、中国の商業宇宙産業の市場規模は、2019年の8000億元(約1100億ドル)から、2023年には1兆9000億元へと成長しました。
同じ報告では、2024年末には市場規模が2兆3400億元に達すると見込まれています。数字だけを見ても、数年で約2.4倍という急速な拡大が続いていることが分かります。今回のように商業利用を前提とした発射場が整備され、新世代ロケットが投入されることは、この成長トレンドを下支えする基盤づくりと言えます。
なぜ今回の打ち上げ準備が注目されるのか
長征8号の打ち上げ準備が注目される理由は、単に新しいロケットが飛ぶというだけではありません。商業宇宙発射場、環境に配慮した新世代ロケット、拡大する市場という三つの要素が一つのプロジェクトに凝縮されているからです。
- 商業宇宙発射場の運用実績を積み重ねられるか
- グリーン推進剤を用いたロケット運用の信頼性を示せるか
- 急拡大する商業宇宙市場のニーズに応えられる体制を整えられるか
これらの点で今回の打ち上げは、中国の宇宙政策と商業宇宙ビジネスの両面を読み解くうえで重要な指標となりそうです。打ち上げ日時は今後数日のうちに決定される予定であり、その結果や次のミッションの動向が、今後のアジアおよび世界の宇宙ビジネスにも静かな影響を与える可能性があります。
Reference(s):
China to launch Long March-8 rocket from its 1st commercial spaceport
cgtn.com








