マカオ式高齢者ケア、Hengqinから広がるグレーターベイエリアの新モデル video poster
中国のChina's Greater Bay Area(グレーターベイエリア)で、マカオの高齢者ケアの経験を生かした新しい取り組みが静かに広がっています。2019年、マカオの地域団体がHengqinに拠点を構え、「マカオ式」高齢者ケアサービスを提供し始めました。
高齢化が進むアジアにとって、高齢者をどう支え、どう地域の「宝物」として生かしていくかは共通の課題です。Hengqinで始まったこの試みは、そのヒントを与えてくれるモデルケースと言えます。
「家の宝」としての高齢者という発想
この取り組みの背景には、「家の中に高齢者がいることは、その家族にとっての宝物だ」という考え方があります。マカオの高齢者ケアでは、単に介護サービスを提供するだけでなく、高齢者一人ひとりの人生経験や知恵を尊重し、地域全体で共有していくことが重視されています。
Hengqinに持ち込まれた「マカオ式」高齢者ケアも同じ発想に立っています。支える側と支えられる側を分けるのではなく、高齢者が地域の一員として、役割と誇りを持てるようにすることが目的です。
2019年、マカオの団体がHengqinに進出
2019年、マカオの地域団体である「General Union of Neighborhood Associations of Macao」がHengqinに拠点を設け、マカオで培われた高齢者ケアモデルを導入しました。これにより、Hengqinの高齢者は、マカオと同様のスタイルのサービスを受けられるようになりました。
日中の見守りやレクリエーションだけでなく、心身の健康を支える活動が組み合わされ、高齢者が安心して暮らしながら、日々の楽しみを見つけられる場づくりが進められています。
Lu Fengxuanさんがつくる「つながり」の場
このプロジェクトを現場で支えているのが、マカオ出身のLu Fengxuan(ルー・フォンシュエン)さんです。彼女はマカオで培った高齢者ケアの経験をHengqinに持ち込み、高齢者が笑顔で暮らせる日常づくりに取り組んでいます。
特徴的なのは、高齢者同士のコミュニティづくりに力を入れている点です。Luさんは、高齢者に趣味や特技を活かしてもらい、互いに教え合ったり、一緒に活動したりする場を積極的に設けています。さらに、地域づくりのアイデアを高齢者から募り、施設の運営やイベント企画に反映させることで、「参加するケア」を実現しています。
Hengqinが先駆ける「マカオ式」モデル
こうした取り組みによって、HengqinはChina's Greater Bay Areaの中で「マカオ式」高齢者ケアを実践する先駆的な地域として位置づけられつつあります。高齢者がサービスの受け手にとどまらず、地域の担い手として尊重されるモデルは、今後の大湾区のまちづくりにとって重要な示唆を含んでいます。
グレーターベイエリアは、多様な制度や文化が共存する地域です。そのなかで、マカオの経験を生かしたHengqinの試みは、都市と都市、世代と世代をつなぐ新しい協力のかたちとも言えます。
「ケアする」から「共に生きる」へ
Hengqinで始まったマカオ式高齢者ケアは、高齢者を「守るべき存在」から「共に地域をつくるパートナー」へと捉え直す試みでもあります。人生経験を共有し、地域の未来について意見を述べる高齢者の姿は、世代を超えた学びの源になります。
高齢者を家族と地域の「宝」とみなす発想は、人口構成が変化するなかで社会のあり方を問い直すものです。China's Greater Bay Areaでのこうした実践は、高齢化が進む他の地域にとっても、静かながら重要なヒントとなりそうです。
Reference(s):
Applying Macao's Elderly Care Experience in China's Greater Bay Area
cgtn.com








