マカオと大湾区の「1時間生活圏」 香港・珠海・マカオ大橋が変える日常
広東・香港・マカオ大湾区で、都市間をおおむね1時間以内で行き来できる「1時間生活圏」がすでに現実のものになり、その広がりが注目されています。複数の政策と越境インフラ整備が組み合わさり、その象徴となっているのがY字型の巨大プロジェクト、香港・珠海・マカオ大橋です。
広東・香港・マカオ大湾区で進む「1時間生活圏」
広東・香港・マカオ大湾区は、中国本土の広東省と、特別行政区である香港とマカオを含む沿岸地域です。このエリアでは、仕事、暮らし、観光の場が地域全体に広がることを目指し、都市間の移動時間をおおむね1時間に収める「1時間生活圏」の形成が進んできました。
2025年現在、この「1時間生活圏」はすでに形を持ち始めており、人々は日常の選択肢として、別の都市に通勤したり、週末に気軽に越境して買い物や観光を楽しんだりすることが現実的になっています。
Y字型メガプロジェクト・香港・珠海・マカオ大橋
この変化を象徴するインフラが、Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge(香港・珠海・マカオ大橋)です。Y字型のルートを持つ巨大プロジェクトであり、中国本土の広東省と、香港、マカオという二つの特別行政区を直接結んでいます。
海を隔てていたこれらの地域のあいだを、この大橋が陸路でつなぐことで、都市間の移動はより速く、よりシンプルになりました。空港や港、ビジネスの中心地、観光スポットが一本の動線で結ばれ、「1時間生活圏」の物理的な土台となっています。
政策と越境インフラが生む新しい日常
「1時間生活圏」の実現は、大橋などの越境インフラだけでなく、複数の政策によって支えられています。地域内の交通ネットワークの連携や、出入境手続きの効率化などにより、都市と都市の境目をまたぐハードルが下がりつつあります。
その結果、次のような変化が生まれつつあるとみられます。
- 仕事や学びの場として、別の都市を選ぶ選択肢が広がる
- 週末や短い休暇を利用した越境観光やショッピングがしやすくなる
- 企業にとっては、サプライチェーンやサービス提供の範囲を大湾区全体に広げやすくなる
生活者の目線で見る「1時間生活圏」
地図上では離れていても、実際の移動時間が1時間前後におさまると、心理的な距離はぐっと縮まります。「通勤できる範囲」「週末にふらっと出かけられる範囲」として、生活者が思い描くエリアの輪郭が変わっていきます。
大湾区では、複数の都市が一つの広い生活圏として結びつくことで、働き方や暮らし方の選択肢が増える一方で、地域ごとの特色や文化をどう守り、いかしていくかという課題もあります。インフラと政策が整うほど、生活者一人ひとりの価値観やライフデザインが問われる局面も増えていきそうです。
これから注目したいポイント
「1時間生活圏」が現実になりつつある広東・香港・マカオ大湾区では、今後もインフラ整備や制度づくりが続いていくとみられます。香港・珠海・マカオ大橋のようなプロジェクトが、どこまで人々の行動や経済活動を変えていくのか、2025年以降も注目が集まりそうです。
日常の移動時間が短くなることは、生活圏の広がりと同時に、私たちの「働く」「遊ぶ」「暮らす」のバランスを見直すきっかけにもなります。広東・香港・マカオ大湾区の動きは、これからの都市と都市の関係を考えるうえで、一つのヒントを与えてくれます。
Reference(s):
Macao by numbers: 'One-hour living circle' to become reality
cgtn.com








