中国が衛星インターネット衛星を初打ち上げ 文昌から低軌道へ video poster
中国が衛星インターネット衛星を初打ち上げ
中国は2025年12月8日(月)、衛星インターネット網の構築に向けた初の低軌道衛星群を、中国南部・海南省の文昌航天発射場から打ち上げました。長征5号B(ロングマーチ5B)ロケットで打ち上げられた衛星は予定軌道への投入に成功し、中国の宇宙インターネット計画が新たな段階に入ったとみられます。この動きは、宇宙開発と通信インフラが重なり合う最新の国際ニュースとして注目されています。
文昌から低軌道へ 長征5号Bが活躍
今回の打ち上げは、北京時間の午後6時に実施されました。ロケットには「遠征2号(ユエンヂョン2)」と呼ばれる上段機が搭載され、その上に衛星インターネット用の低軌道衛星が載せられていました。
打ち上げ後、衛星はすでに所定の軌道に入っており、運用準備段階に入ったとされています。今回のミッションは、長征ロケット・シリーズ全体で通算552回目となり、中国のロケット運用の積み重ねを示す節目の一つともいえます。
「衛星インターネット」とは何か
衛星インターネットは、地球を周回する多数の通信衛星をネットワークとしてつなぎ、地上の基地局を介してインターネット接続を提供する仕組みです。今回打ち上げられたような低軌道衛星は、地上に比較的近い高度を回るため、通信の遅延が少ないという特長があります。
従来の通信インフラは、光ファイバーや基地局を建設しづらい山間部や離島、海上などではサービスが届きにくいという課題がありました。衛星インターネットは、こうした「つながりにくい地域」にも接続手段を広げうる技術として注目されています。
なぜ各国・地域が衛星インターネットに注目するのか
衛星インターネットへの取り組みは、中国だけでなく、世界各地で広がっています。その背景には、主に次のような狙いがあります。
- デジタル格差の解消:都市部と地方、陸地と海上の「通信の差」を小さくしたいというニーズ。
- 通信インフラの強靱化:災害やトラブルで地上の通信網が途絶えた際のバックアップ手段としての期待。
- 新しいビジネスチャンス:物流、金融、農業、エネルギーなど、多くの産業で高速・安定通信へのニーズが高まっていること。
衛星インターネット網は、一国の通信インフラにとどまらず、国際的なデータ流通や経済活動にも影響を与える可能性があり、各国・地域の戦略にも関わるテーマになっています。
今回の打ち上げが意味するもの
中国が今回打ち上げたのは、衛星インターネット網を構成する低軌道衛星群の「第一陣」です。これは、長期的な衛星コンステレーション(多数の衛星を組み合わせたネットワーク)の構築に向けたスタートラインに立ったことを意味します。
今後、衛星の数が増え、地上局や端末が整備されていけば、次のような変化が起きる可能性があります。
- 中国国内の遠隔地や海上での通信環境の改善
- 企業による衛星データ・衛星通信サービスを活用した新事業の拡大
- 国際的な衛星インターネット網との相互接続や協力の議論の加速
これから私たちが注目したいポイント
今回のニュースは、宇宙技術の話題であると同時に、「これからのインターネットのかたち」を考えるきっかけにもなります。読者としてチェックしておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- サービスの対象:どの地域・どのユーザー層に向けた通信サービスが想定されているのか。
- 料金と端末:衛星通信を利用する端末や料金体系が、どの程度一般ユーザーに手の届くものになるのか。
- 国際ルールづくり:軌道の混雑や電波の利用ルールなど、各国・地域がどのように協調していくのか。
- 日常生活への影響:遠隔教育、遠隔医療、リモートワークなど、身近なサービスがどう変わっていくのか。
宇宙からのインターネットが当たり前になるかどうかは、まだこれからの議論と技術次第です。ただ、中国が文昌から低軌道衛星群の打ち上げに成功したことで、世界の衛星インターネットをめぐる動きは、さらに一歩先へ進んだと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








