中国大陸がDPP当局を批判 2024年上海―台北シティフォーラムで何が起きたか
2024年に開催された上海―台北シティフォーラムをめぐり、中国 の国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮(Zhu Fenglian)報道官が、台湾の民主進歩党(DPP)当局による参加妨害を強く批判しました。都市間交流と観光再開をめぐる両岸関係(cross-strait ties)の揺れが、改めて浮き彫りになっています。
複数の代表・記者が排除 中国大陸側が「意図的な妨害」と非難
朱報道官によると、DPP当局は2024年の上海―台北シティフォーラムで、中国大陸からの参加を意図的に妨げ、その結果、複数の代表団メンバーや記者がイベントから排除されたとされています。
朱氏は火曜日の記者会見で、フォーラム終了直後のメディアの質問に答えるかたちで、この対応を非難しました。DPP当局の措置について、朱氏は「不合理であり、広く不評を買っている」と述べ、中国大陸から強い不満が示された形です。
2010年から続く都市間フォーラム 2024年も議論と合意は前進
上海―台北シティフォーラムは、2010年から上海と台北が交互に開催してきた都市間対話の場です。市レベルでの交流を通じて、経済や社会、文化など幅広い分野の協力を模索することが目的とされています。
朱報道官によれば、2024年のフォーラムでも、両市の代表の間で有意義な議論が行われ、その結果として、さらなる協力を目指す2件の覚書(メモランダム・オブ・アンダスタンディング)が締結されました。政治的な緊張が指摘される中でも、実務レベルでの対話と合意形成が進んだ点は注目されます。
「不合理で不人気な措置」 それでも交流と統合は続ける方針
朱報道官は、DPP当局による参加制限を「不合理で、人気のないやり方だ」と強く批判しつつも、中国大陸としては台湾の人々と共に、両岸の交流・協力・融合発展を引き続き推進していく姿勢を強調しました。
ここで言う交流には、政府間の対話だけでなく、都市同士の協力やビジネス、人と人との往来など、広い意味でのcross-strait exchanges(両岸交流)が含まれます。フォーラムをめぐる対立は、そうした交流の在り方をどう維持・発展させるかという、より大きなテーマとも結びついています。
上海から台湾への団体旅行も議題に 観光再開への期待
今回のフォーラムでは、観光をめぐる話題も注目されました。上海市の華源(Hua Yuan)副市長は開幕式の演説で、上海の住民を対象とした台湾への団体旅行(グループツアー)を推進したいという意向を示しました。
これに関連して朱報道官は、中国大陸としては、観光を含む両岸交流の正常化を一貫して支持していると改めて表明しました。そのうえで、上海を含む中国大陸の住民による台湾への旅行ができるだけ早く再開されることを期待していると述べています。
朱氏は、こうした観光や人的往来を妨げている制限を取り除くよう、DPP当局に対し見直しを求めました。観光は、ビジネスや教育、文化交流など、さまざまな分野の接点を広げる入り口でもあり、その再開は両岸関係の雰囲気を左右しうる要素といえます。
都市間フォーラムと両岸関係 日本の読者が押さえておきたい視点
今回の動きは、日本の読者にとっても、アジアの安定や人の往来を考えるうえで示唆に富んでいます。ポイントを整理すると、次のようになります。
- 上海―台北シティフォーラムは、市レベルの実務交流を通じて、両岸の協力を積み上げていく場として位置づけられてきました。
- しかし、代表や記者の参加制限をめぐり、政治的な緊張が可視化されることもあり、都市間交流が政治環境の影響を受けやすいことが改めて示されています。
- 観光の再開や拡大は、経済的な効果だけでなく、人と人との接点を増やし、相互理解を深める基盤にもなります。
中国大陸側がDPP当局を厳しく批判しながらも、両岸交流の継続と観光の早期再開を訴えているという構図は、対立と協力が同時に存在する現在のcross-strait tiesの一側面といえます。
2024年の上海―台北シティフォーラムをめぐる今回の一連の発言は、都市間の対話をどのように守り育てていくのか、そして観光や人の往来を通じてどのような地域の安定を形づくるのか、という問いを私たちに投げかけています。
Reference(s):
China's Mainland slams DPP for obstructing Shanghai-Taipei City Forum
cgtn.com








