習近平氏が農村改革の深化を指示 中国「農業強国」戦略の焦点
中国の習近平国家主席は、農村改革を一段と深め、中国の「農業強国」づくりを着実に進めるよう指示しました。北京で火曜日と水曜日に開かれた年次の中央農村工作会議で、農業・農村・農民をめぐる今後の方針が示されています。
中央農村工作会議で何が話し合われたのか
習氏は、中国共産党中央委員会総書記として、農業、農村、農民に関する仕事について重要な指示を出しました。党と政府のあらゆるレベルが農業と農村の発展を最優先に位置づけ、農業と農村の現代化を加速させる必要があると強調しました。
指示の中心にあるのは、次のような方向性です。
- 農業を一段と強化し、農民に利益をもたらす支援制度を整えること
- 農村地域を豊かにし、全面的な農村振興を前に進めること
- 中国の農業基盤をさらに固め、農村と農民の繁栄につなげること
食料安全保障と農民の所得向上
今回の会議では、食料安全保障が大きな柱として位置づけられました。習氏は、穀物をはじめとする主要な農産物の生産と供給を安定させる必要性を強調し、国家としての食料安全保障の責任を断固として担うよう求めました。
同時に、農民の所得を増やすための新たなチャネルを開き、貧困脱却の成果を「固め、広げる」ことも重視されています。具体的には、
- 大規模な貧困への逆戻りを防ぐこと
- 農業の生産性を高めることで農民の収入源を増やすこと
- 農村経済に新たな活力を注ぎ込むこと
といった課題に取り組む方針が示されました。
暮らしやすく美しい農村をめざして
習氏は、農村振興の取り組みを着実に進め、人々が住み、働きたいと思える「美しく調和のとれた農村」をつくる必要があると述べました。これは単に所得水準を上げるだけでなく、生活環境や公共サービスの改善を含む、総合的な農村づくりを意味します。
会議では、目に見える成果をいくつも実現することに力を集中させるべきだと強調されました。農業の効率を高め、農村に活力を吹き込み、農民の所得を引き上げることが、その具体的な目標となっています。
農村改革の鍵:土地制度と新型都市化
今回の中央農村工作会議では、中国共産党中央と国務院による、農村改革の一層の深化と全面的な農村振興の着実な推進に関する意見(案)も討議されました。その中で焦点のひとつとなったのが、農地の契約制度です。
農地契約を30年延長する試行
会議は、第二期の農地契約が期限を迎えた後、さらに30年間延長する試行を秩序立てて進める方針を示しました。長期の契約が見通せることで、農民にとっては土地の利用や投資の計画が立てやすくなり、農業経営の安定にもつながるとみられます。
新型都市化と農村振興を同時に進める
また、新しい形の都市化と、全面的な農村振興を「両にらみ」で進める必要性も指摘されました。都市への人口移動が進む中で、農村を取り残さずに発展させることは、中国社会全体のバランスにとって重要な課題です。
各地の条件に応じて、農業分野で新しいタイプの生産力を育てていくことも求められました。地域ごとの強みを生かした産業づくりや、生産方式の高度化などを通じて、農業の質と効率を同時に高めるねらいがあります。
国際社会から見た中国の農業戦略
中国は世界有数の農業生産国であり、その農業政策は国際的な食料市場にも影響を与えます。今回示されたような農業強化や食料安全保障の重視は、中国国内だけでなく、世界の食料供給の安定という観点からも注目されます。
一方で、農民の所得向上や農村振興は、長期的な社会の安定につながるテーマでもあります。都市と農村の格差をどう縮めていくのか、土地制度の改革がどのように進むのかは、今後も国際ニュースとしてフォローしていく価値のあるポイントだと言えるでしょう。
中央農村工作会議での議論と習氏の指示は、中国がこれからどのような農村改革と農業現代化を進めていくのかを占う重要な手がかりです。日本を含むアジアの読者にとっても、地域の食料安全保障や経済の行方を考えるうえで、継続的に注視していきたい動きです。
Reference(s):
Xi urges deepening rural reform, building up strength in agriculture
cgtn.com








