マカオ発、伝統中国医学が世界へ 横琴製造・マカオ検査と若手起業家 video poster
マカオを拠点に、伝統中国医学(Traditional Chinese Medicine)が世界市場へと踏み出そうとしています。2023年に始まった「横琴製造・マカオ検査」という新しい仕組みと、1990年代生まれの起業家ヘイゼル・ウォン氏の挑戦が、その動きを象徴しています。
伝統中国医学がマカオから世界へ向かう理由
2023年に導入された「横琴製造・マカオ検査」という新しい政策は、伝統中国医学の開発と普及に新たな発想をもたらしています。この仕組みは、その名の通り、製品を横琴で生産し、マカオで検査・確認するという発想に基づいています。
生産地と検査の拠点を組み合わせることで、品質管理や国際市場への信頼性の面で、これまでとは違うモデルを模索できるようになりました。特に、長い歴史を持つ伝統中国医学を、現代のヘルスケア産業の中でどう位置づけ、どのように国外へ届けるかという課題に対し、新しい選択肢を提示している点が注目されています。
「横琴製造・マカオ検査」がもたらしたビジネスチャンス
伝統中国医学は、中国本土で培われてきた知識と経験に支えられた分野です。一方で、各国での規制や認証、消費者の認知といったハードルも存在します。「横琴製造・マカオ検査」は、そうした課題に向き合うための一つの枠組みとして位置づけられています。
この政策が実施されたことで、中国本土で生まれた伝統中国医学関連の商品をマカオに持ち込み、そこで検査や評価を行いながら、さらに広い市場へと展開していくルートが意識されるようになりました。制度導入から約2年が経つ2025年現在、この枠組みを活用しようとする若い世代の動きも出てきています。
90年代生まれ・ヘイゼル・ウォン氏の挑戦
その一人が、1990年代生まれの起業家、ヘイゼル・ウォン氏です。ウォン氏は「横琴製造・マカオ検査」の流れを好機ととらえ、伝統中国医学とヘルスケア産業を自身のビジネスの軸に選びました。
ウォン氏が目指しているのは、中国本土の伝統中国医学製品をマカオに紹介し、そこでのビジネス基盤を整えたうえで、さらに広い海外市場へとつなげていくことです。制度の仕組みを活用しながら、製品の信頼性を高め、国際的な展開につなげることに力を入れています。
若い世代の起業家が伝統医療の分野を選ぶという点も、注目すべき変化です。ヘルスケアやウェルビーイング(心身の健やかさ)への関心が高まるなかで、古くからの知恵と現代的なビジネス感覚を組み合わせる試みが進んでいるといえるでしょう。
ポルトガル語圏市場とその先へ
ウォン氏は、中国本土の伝統中国医学製品をマカオに持ち込むだけでなく、ポルトガル語圏の国々や、そのほかの地域の市場開拓にも取り組んでいます。マカオを足場として、ポルトガル語を使う国々とつながり、その先の地域にも視野を広げているかたちです。
ポルトガル語圏の市場に向けて伝統中国医学を紹介することは、単に新しいビジネスチャンスというだけでなく、異なる文化や医療観のあいだに橋をかける試みでもあります。健康に対する価値観や日々の養生(セルフケア)のあり方を共有することで、東アジア発のヘルスケア文化が多様な地域に広がる可能性が見えてきます。
今後のポイント――伝統とイノベーションの両立をどう進めるか
2023年から始まった「横琴製造・マカオ検査」の仕組みと、ヘイゼル・ウォン氏のような若い起業家たちの挑戦は、伝統中国医学がこれからどのように世界とつながっていくのかを考えるうえで、一つのヒントを与えています。
今後、注目したいポイントとしては、例えば次のようなものがあります。
- 伝統中国医学の価値を、各国の人々にどのような言葉や形で伝えていくのか
- 生産と検査・評価の仕組みを組み合わせるモデルが、どこまで国際的な信頼につながるのか
- 若い世代の起業家や専門家が、この分野でどのような役割を果たしていくのか
日本からこの動きを見つめる私たちにとっても、伝統医療と現代のヘルスケア産業、さらには国境を超えるビジネスのあり方を考えるきっかけになりそうです。マカオ発の伝統中国医学ビジネスが、今後どのように展開していくのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








