彭麗媛夫人、マカオの学生に呼びかけ 中国文化を学び地域と国家の発展へ
【国際ニュース|日本語解説】習近平国家主席の夫人・彭麗媛(ポン・リーユエン)さんがマカオ特別行政区を訪れ、学生たちに中国文化の歴史を深く学び、地域と国家の発展に生かすよう呼びかけました。返還から25年の歩みの中で、マカオがどのように文化と教育を通じて役割を広げてきたのかを見ていきます。
彭麗媛夫人、マカオ博物館で学生にメッセージ
現地時間の木曜日、彭麗媛さんはマカオ博物館を訪れ、マカオの学生たちと交流しました。中国文化やマカオの歴史に関する展示を見学したあと、学生たちに向けてメッセージを送りました。
彭さんは「中国文化の歴史をもっとよく学び、しっかり研究し、その知識を生かして私たちの祖国をより良く築き、マカオをさらに良い場所にしてほしい」と語り、学びを地域と国家の発展につなげるよう強調しました。
博物館では、マカオの歴史的な変遷や、中国と西洋の建築・産業・生活文化がどのように融合してきたのかについても説明を受けました。さらに、マカオ名物のアーモンドクッキー作りの体験に参加し、タイル絵や木彫りの職人との交流も行いました。
彭さんは、マカオ返還25周年の関連行事に出席する習近平国家主席に同行して訪問しており、節目の時期に若い世代へ「文化」と「学び」をキーワードにメッセージを送った形です。
返還から25年、マカオが育んだ中国文化の土壌
過去25年間、マカオ特別行政区は豊かな歴史と文化遺産を生かし、伝統的な中国文化の発信地としての役割を強めてきました。地理的な優位性を背景に、中国と世界の文化交流をつなぐハブとしての機能も高めています。
現在、マカオには少なくとも12件の国家級無形文化遺産が存在し、その中には次のようなものが含まれます。
- 広東オペラ
- 広東南音(物語を語る伝統的な歌)
- 涼茶(中国伝統のハーブティー)を煎れる文化
- ドラゴンボートの一種として知られる「ドラゴンの酔い祭り」などの祭礼
こうした無形文化遺産は、マカオのまちの日常や祭りのなかで受け継がれており、「観光地」としてのマカオにとどまらない、文化都市としての顔を形づくっています。
若い世代に広がる伝統文化教育と交流
キャンパスに広がる「優れた伝統文化」プログラム
マカオでは、「優れた中国の伝統文化をキャンパスへ」という趣旨のプログラムが展開され、学校教育の中に中国文化を積極的に取り入れています。学生たちは、音楽家・洗星海を記念する「洗星海記念館」や、葉挺将軍の旧居などを訪問し、歴史や人物の物語を学ぶ機会を得ています。
これらの活動を通じて、若い世代の中に、中国文化への親しみと誇り、そして国家への愛着を育む狙いがあります。
マカオと中国本土の学生交流、宇宙授業「天宮クラス」も
マカオ特別行政区は近年、マカオの学生と中国本土の学生との文化交流を積極的に進めてきました。こうした交流は、若者が将来、国家全体の発展により良く関わっていくための土台づくりと位置づけられています。
2021年12月には、約170人のマカオの小中学生が、マカオ科学館を拠点に「天宮クラス」と呼ばれる宇宙教育プログラムに参加しました。この授業は中国の宇宙ステーションとつないで行われ、学生たちは宇宙飛行士と直接やり取りする貴重な体験をしました。
さらに、2005年に始まった「香港・マカオ大学生文化実践活動」には、これまでに香港とマカオの特別行政区から何千人もの大学生が参加しています。2023年には、参加した学生が河北省の雄安新区を訪れ、中関村北京・香港・マカオ青年イノベーションセンターで起業や雇用をテーマに意見交換を行いました。
こうした取り組みは、教育・イノベーション・キャリア形成を結びつけながら、マカオの若者が自らの進路を国家の長期的な発展とどう重ね合わせていくかを考えるきっかけにもなっています。
中国と世界をつなぐ文化交流拠点としてのマカオ
マカオは東側を太平洋に面し、古くから対外開放が進んだ都市の一つとして知られてきました。その歴史的背景から、中国と西洋の文化が出会い、交わる場として独自の役割を担ってきました。
現在もマカオは、中国と他の国や地域との文化交流を推進する窓口として位置づけられており、その一例が文化財保護分野での国際共同研究です。
中国・ポルトガル共同の文化財研究ラボ
「中国・ポルトガル文化遺産保護科学共同実験室」は、「一帯一路」構想の枠組みの下で設立された共同研究機関です。2020年9月には、中国の科学技術部から研究資金の支援を受け、国家レベルの戦略的な科学技術イノベーション・プラットフォームとして位置づけられました。
この共同実験室は、マカオのシティ・ユニバーシティとポルトガルのエヴォラ大学が共同で設立し、中国東部・江蘇省の蘇州大学に拠点を置いています。マカオとポルトガル、そしてその他の「一帯一路」パートナー国とのあいだで文化財保護の研究と人材交流を進める「橋」の役割を果たしています。
研究対象には、海上シルクロード沿いの文化遺産も含まれており、中国発の文化ストーリーを国際社会に発信しつつ、自国の文化に対する自信を高め、遺産を守る取り組みの強化にもつながっています。
これからのマカオと若い世代に注目
今回の彭麗媛さんの発言は、マカオの学生に対して、中国文化を単に「知識」として学ぶだけでなく、自分たちの進路やマカオ、そして国家全体の未来づくりに生かしてほしいというメッセージといえます。
文化遺産の保護、学校教育での伝統文化プログラム、宇宙開発を身近に感じる授業、そして国際共同研究――マカオでは、さまざまなレベルで文化と教育が結びつきつつあります。
ニュースを追う私たちにとっても、次のような点が今後の注目ポイントになりそうです。
- マカオの若者が、中国文化への理解とグローバルな視野をどのように両立させていくか
- 無形文化遺産や地域文化が、新しい観光やクリエーティブ産業とどう結びつくか
- 「一帯一路」の枠組みの中で、文化交流・研究協力がどこまで広がるのか
マカオ発のこうした動きは、アジアや世界の中での中国文化の位置づけを考えるうえでも、今後しばらくウォッチしておきたいテーマです。
Reference(s):
Peng Liyuan calls on Macao students to embrace Chinese culture
cgtn.com








