中国国防省が米国の中国軍事報告書に強く反発 平和発展路線を強調
中国国防省が、米国防総省の中国軍事・安全保障報告書に強い不満と断固たる反対を表明したという国際ニュースです。米中対立が続くなか、軍同士の関係をどう安定させるのかが改めて問われています。
米国防総省報告書への中国側の批判
土曜日、中国国防省の報道官ジャン・シャオガン(Zhang Xiaogang)氏は、米国防総省が公表した中国の軍事・安全保障発展に関する最新報告書について「強い不満と断固たる反対」を表明しました。報告書が中国の国防政策を歪曲し、中国の内政に乱暴に干渉していると指摘しています。
ジャン報道官によると、この報告書は中国の軍事発展を一方的に憶測し、中国軍のイメージを傷つけながら、いわゆる「中国軍事脅威」を最大限にあおる内容だとしています。
「平和発展」と防御的な核戦略の強調
ジャン報道官は、中国は一貫して平和発展の道を歩み、防御的な国防政策を追求していると強調しました。そのうえで、イラク、シリア、アフガニスタンなどに対して違法な戦争や軍事行動を行い、深刻な人道的被害をもたらしてきたのは米国であり、「国際秩序のナンバーワンの破壊者」であり「世界の安全保障に対する最大の脅威になっている」と厳しく批判しました。
また、中国の核政策については、自衛のための核戦略と核兵器の先制不使用(NFU)政策を堅持していると説明しました。中国の核戦力は、国家安全保障に必要な最小限の水準にとどめているとし、核軍拡との見方を退けています。
米英豪の原潜協力に対する懸念
ジャン報道官はさらに、米国・英国・オーストラリアによる核動力潜水艦に関する三国間協力が、国際的な核不拡散体制に深刻な影響を与え、国際および地域の平和と安定を損なっていると指摘しました。こうした動きが安全保障上の不信と緊張を高める要因になりかねないとの懸念を示しています。
軍同士の関係は「米中関係の重要な一部」
一方でジャン報道官は、両国軍の関係は全体としての米中関係の重要な構成要素だと強調しました。中国側はこれまでも、軍事外交チャンネルを通じて米側と率直で効果的なコミュニケーションを維持してきたと説明しています。
中国は、米国が中国と中国軍の発展を前向きかつ理性的に受け止め、平和・安定・信頼を軍同士の交流の基本原則とすることを期待しているとしました。そのうえで、対等と相互尊重に基づき、衝突せず、対抗せず、開かれた実務的な協力を進め、相互信頼を徐々に積み上げていく軍事関係を構築したい考えを示しています。
毎年の「脅威」報告と、これからの米中関係
しかしジャン報道官は、米国側がこの種の報告書を「年々発表し続け」、無責任な内容を拡散しているとも批判しました。中国側は、米国に対し「虚偽の物語」を作るのをやめ、中国に対する誤った認識を改め、両国軍の関係を健全で安定した方向に導くよう求めています。
今回の発表から見えるポイント
- 米国は、中国の軍事力や安全保障政策を分析した報告書を継続的に公表している
- 中国側はこれを「中国軍事脅威論」をあおるものとみなし、平和発展と防御的な国防政策、核の先制不使用を強調している
- 強い言葉で批判しつつも、軍事対話や信頼醸成の枠組みは維持・強化したい姿勢を示している
米中の軍事・安全保障分野をめぐる動きは、インド太平洋を含む国際秩序にも直結します。報告書やそれに対する反応は、両国が相手の軍事力をどう評価し、自国の立場をどう正当化しようとしているかを映し出す鏡でもあります。安全保障上の不信感が高まるなか、対立と同時にどこまで対話と「ガードレール」づくりを進められるのか。今後の米中関係を読み解くうえで、注視しておきたいニュースです。
Reference(s):
Spokesperson: China opposes U.S. report on its military development
cgtn.com








