70年を捧げたカンフー 太極梅花螳螂拳の継承者スン・ドーロン video poster
カンフーの国際ニュースとして今回取り上げるのは、山東省青島市で太極梅花螳螂拳(たいきょく・めいか・とうろうけん)を受け継ぐスン・ドーロン氏の物語です。70年という時間をこの古い武術に捧げ、80歳を超えた現在も世界中の弟子たちに指導を続けています。
カンフーとは「時間」──70年を積み重ねた人生
この物語は、英語のフレーズ「What is Kung Fu? It's time. It's the unwavering dedication of 70 years.」という言葉に象徴されています。カンフーとは何か。それは、一瞬の派手な技ではなく、長い時間をかけて同じ道を歩み続ける「献身」なのだと、スン氏の歩みは静かに語りかけているようです。
スン・ドーロン氏は、太極梅花螳螂拳の第四代継承者です。幼いころから叔父のハオ・ビン氏に鍛えられ、その後の人生をほぼすべて、この古い武術の研鑽に費やしてきました。
青島で受け継がれる太極梅花螳螂拳
スン氏が暮らすのは、中国・山東省の青島市です。ここで太極梅花螳螂拳は、世代を超えて受け継がれてきました。スン氏は第四代継承者として、その系譜の中核を担っています。
70年に及ぶ修行の末、彼は技だけでなく、その背景にある精神までも体現する存在になっています。カンフーは単なる格闘技ではなく、日々の鍛錬を通じて心身を整え、次の世代へと受け渡されていく文化でもあることが伝わってきます。
引退後も続いた挑戦と日々の稽古
長い年月の修行を経て引退した後も、スン氏の挑戦は続きました。引退後も国際的な武術大会に出場し、多くの賞を受けています。年齢を重ねても挑戦を続ける姿勢そのものが、カンフーの精神を体現しているように見えます。
80歳を超えた今も、スン氏は毎週、弟子たちを教えています。長年培ってきた経験を言葉と動きで伝える時間は、弟子たちにとって技術以上の学びになっているでしょう。
10カ国以上に広がる「本物のカンフー」
スン氏の影響は、青島市の稽古場だけにとどまりません。彼のもとで学んだ弟子たちは、中国のほか、アメリカ、ドイツ、韓国などを含む10カ国以上に広がっています。太極梅花螳螂拳は、こうして国境を越えたネットワークの中で受け継がれています。
グローバル化が進むいま、伝統文化はしばしば「古いもの」として片付けられがちです。しかし、70年という時間を一つの道に捧げ続けるスン氏の姿は、私たちに別の問いを投げかけます。
- 本当に新しいものだけが価値があるのか
- 長く続けること自体に、どんな意味があるのか
- 技や知識を次の世代に渡すとは、どういうことなのか
忙しい日常を送る私たちにとっても、「何かを続けること」の重みを静かに考えさせてくれる物語です。カンフーを通じて積み重ねられてきた時間は、これからも世界のさまざまな場所で受け継がれていくと考えられます。
Reference(s):
cgtn.com








