中国ラオス鉄道で見つけた自分のルーツ 少数民族乗務員ユ・ハンルンの3年 video poster
2021年に開業した中国ラオス鉄道で乗務員を務める若いダイ族の女性、ユ・ハンルンさん。彼女にとってこの鉄道は、安定した仕事以上の意味を持つようになっています。この3年間の乗務を通じて、自分のルーツと向き合い、自信を取り戻す旅でもありました。
キャリアを超えたもう一つの旅
中国ラオス鉄道が走り始めた2021年、ユ・ハンルンさんは列車乗務員として新しい一歩を踏み出しました。車内で安全確認を行い、乗客に声をかけ、日々の運行を支える——そんな仕事のなかで、彼女は単なる職業ではない何かを見つけていきます。
多様な背景を持つ乗客と接しながら、自分がどこから来たのか、どんな文化を受け継いでいるのかを、改めて意識するようになったといいます。
ダイ族としてのルーツと向き合う
ユさんは、少数民族であるダイ族の出身です。これまで、自分の民族性について深く語る機会はあまりなかったかもしれません。しかし、中国とラオスを結ぶ鉄道路線という、多文化が交わる現場で働くうちに、自分のルーツを見つめ直す時間が増えていきました。
乗客に出身地を尋ねられたとき、ダイ族の歴史や言葉、祭りについて説明するうちに、自分の背景には誇れるものがあると実感するようになったと考えられます。こうした対話の積み重ねが、彼女の自己肯定感や自信につながっていきました。
鉄道の仕事は、決まったダイヤに合わせて淡々と進むように見えますが、そこには人と人との出会いがあり、アイデンティティを問い直すきっかけも生まれます。ユさんにとって、この3年間はまさに自分を再発見する時間だったといえるでしょう。
3年間の経験が映す、鉄道がもたらす変化
中国ラオス鉄道は、国境をまたぐインフラとして注目されがちですが、その影響は数字や経済効果だけでは測れません。ユさんのように、この路線で働く若い世代の人生や価値観にも静かな変化をもたらしています。
毎日の業務を通じて、彼女は異なる文化や言語、世代の人びとと関わりながら、仕事のスキルだけでなく、人としての視野を広げてきました。仕事が自己発見の場となり、その延長線上にキャリアの可能性が開けていく——そんな姿は、国際ニュースの一コマでありながら、多くの人が共感できる物語でもあります。
2025年のいま、この物語から見えるもの
2025年のいま、中国ラオス鉄道は開業からの数年間で、多くの人と物を運んできました。その日々の積み重ねの中で、ユ・ハンルンさんは、自分のルーツを肯定し、自信を育ててきました。そしてそのプロセスは、これからも続いていきます。
この物語から見えてくるポイントは、次のようなものです。
- インフラ整備は、地域経済だけでなく、そこで働く人の人生にも影響を与える
- 自分のルーツを語る経験が、若い世代の自信やアイデンティティの再構築につながる
- 国際鉄道の現場は、多様性の中で働き方や生き方を学ぶ教室のような役割も果たしている
日本から見ると、中国ラオス鉄道のニュースは距離のある話に感じられるかもしれません。しかし、一人の若い乗務員が仕事を通じて自分自身を見つめ直していく姿は、国や地域を問わず、多くの人にとって身近なテーマです。日々の仕事のなかに、私たちはどんな学びや変化の種を見つけられるのか。ユ・ハンルンさんの歩みは、そんな問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








