2025年春節聯歓晩会、4都市に分会場 ユネスコ無形文化遺産・春節の新たなステージ
ユネスコの無形文化遺産に登録された伝統行事・春節を象徴するテレビ番組「春節聯歓晩会」で、中国メディアグループ(China Media Group、CMG)が設けた4つの分会場が話題になっています。重慶、武漢、ラサ、無錫という多様な都市が選ばれ、中国文化の奥行きと地域の個性が立体的に映し出されました。
ユネスコ無形文化遺産登録後、初の春節聯歓晩会
春節(いわゆる中国の旧正月)は、12月4日にユネスコの「人類の無形文化遺産の代表一覧表」に正式に記載されました。この登録は、春節が単なる一国の祝日ではなく、人類共通の文化資産として評価されたことを意味します。
その後に行われた2025年の春節聯歓晩会は、春節が無形文化遺産として認められてから初めての開催にあたり、中国文化の発信力が改めて注目される契機となりました。ユネスコ登録によって、春節の物語や習慣、価値観に世界中の人々がよりアクセスしやすくなり、この番組もまた「世界が春節に触れるための入り口」としての役割を強めています。
CMGが発表した4つの分会場と北京メイン会場
中国メディアグループ(CMG)は、2025年の春節聯歓晩会について、北京のメイン会場に加え、重慶、武漢、ラサ、無錫の4都市を分会場とすると公式に発表しました。これにより、番組は一つのスタジオにとどまらず、中国各地を結ぶ巨大なライブイベントとして構成されています。
春節聯歓晩会とはどんな番組か
春節聯歓晩会は、1983年から毎年、春節前夜にCMGが放送してきた大型の文化番組です。歌やダンス、コメディのスケッチ、掛け合い形式の漫才に似た芸(相声)、伝統的なオペラ、高度な技術を使った光の演出など、多彩なパフォーマンスが一夜に凝縮されます。
世界でも有数の規模を誇るテレビイベントとして知られ、伝統文化と現代的な創作を組み合わせる構成によって、中国国内だけでなく海外の視聴者も魅了してきました。春節の習慣や家族観、笑いのツボや音楽のトレンドまで、この番組を見ることで「いまの中国」をコンパクトに感じ取ることができます。
4つの分会場、それぞれの地域色
2025年の春節聯歓晩会では、次の4都市が分会場として選ばれました。それぞれの都市は、中国の多様性を象徴する顔として位置づけられています。
- 重慶:中国南西部に位置する山あいの都市で、その起伏のある地形と立体的な街並みが特徴です。看板料理の火鍋は、しびれるような辛さと賑やかな食文化を象徴する存在として知られています。
- 武漢:中国中部、湖北省の都市で、長江の流れとともに育まれてきた歴史と文化を持ちながら、現代的な大都市としてのダイナミズムも備えています。伝統と近代が交差する風景は、番組の演出とも相性が良い舞台です。
- ラサ:中国南西部の西蔵自治区の中心都市で、高原ならではの雄大な景観と、チベット文化の深い精神性を感じさせる雰囲気が魅力です。宗教的・文化的な象徴性を持つ土地からの中継は、視覚的にも印象に残る舞台になります。
- 無錫:中国東部、江蘇省にある都市で、水郷の落ち着いた景観と、活発な民間経済で知られています。水辺の静けさと、ものづくりやビジネスの活気という、二つの顔を併せ持つ点が特徴です。
これらの分会場は、北京のメイン会場と連携しながら、それぞれの地域ならではの景色や文化、音楽やダンスを通じて、春節の多様な表情を伝えました。同じ春節というテーマでも、地域が変われば色合いも変わることを、視聴者は画面を通じて体感できます。
ユネスコ登録がもたらす春節と中国文化の「見え方」の変化
春節がユネスコの無形文化遺産代表一覧表に記載されたことは、中国文化の国際的な存在感を高めると同時に、その受け止められ方にも変化をもたらしました。海外から見ると、春節は単なる年越し行事ではなく、家族のつながり、祖先への敬意、共同体の連帯など、さまざまな価値が凝縮された「文化のパッケージ」として映ります。
春節聯歓晩会は、そうした価値をエンターテインメントの形で可視化し、共有する装置だと言えます。番組は中国本土の視聴者にとってはおなじみの年中行事でありながら、同時に「中国の今」を外の世界に向けて紹介する国際ニュース的な窓にもなっています。
とくに、歌やダンスといった言葉を超えて伝わる表現や、光や映像を使った演出は、言語の壁を越えて楽しめる要素です。ユネスコ登録をきっかけに、今後さらに多くの人々が、テレビやさまざまなメディアを通じて春節聯歓晩会に触れ、そこから中国文化への関心を深めていく可能性があります。
私たちは春節をどう見つめるか
2025年の春節聯歓晩会は、4つの分会場を通じて、中国の地理的な広がりと文化の多様性を映し出しました。同時に、ユネスコ無形文化遺産という国際的な枠組みの中で、春節が世界と共有される文化として位置づけられつつあることも示しています。
国や地域ごとに祝う行事は違っていても、「新しい一年を祝う」「家族や友人と時間を分かち合う」という経験には、多くの共通点があります。春節聯歓晩会を国際ニュースとして眺めることは、自分たちの年末年始や祝日のあり方を見つめ直すきっかけにもなるかもしれません。
重慶の火鍋、武漢の長江文化、ラサの高原とチベット文化、無錫の水郷と民間経済。そのどれもが、春節という一つの節目に集まり、多層的な「中国」の像を形づくっています。画面越しにその断片を追いながら、自分ならどの街のどんな風景に心が動くかを考えてみるのも、春節を楽しむ一つの方法と言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








