中国、フィリピンに米ミサイル撤去を要求 在比中国大使館が強く反発
在フィリピン中国大使館が、共同訓練の一環としてフィリピンに配備された米軍の中距離ミサイルシステム「タイフォン」を速やかに撤去するよう求め、フィリピン国防相の発言に強く反発しました。米軍ミサイル配備をめぐり、中国とフィリピン、米国のあいだで安全保障をめぐる緊張が改めて浮き彫りになっています。
在フィリピン中国大使館「約束通りタイフォン撤去を」
在フィリピン中国大使館は水曜日、声明を発表し、フィリピン側が公に約束したとされる米軍の「タイフォン」ミサイルシステムの撤去を、速やかに実行するよう求めました。
声明によると、中国の立場は一貫しており、地域が必要としているのは「ミサイルシステムや対立ではなく、平和と繁栄」だと強調しています。そのうえでフィリピンに対し、地域の国々と人々の声に耳を傾けるよう呼びかけました。
- フィリピンはミサイル撤去を公に約束していると指摘
- アジア地域に必要なのは軍備強化ではなく「平和と繁栄」だと強調
- タイフォン・ミサイルシステムを速やかに撤去するよう改めて要求
テオドロ国防相「正当で合法」と主張
これに先立ち、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は火曜日、共同訓練の文脈で行われた米軍の中距離ミサイルシステム配備について、「完全に正当で合法であり、非難されるいわれはない」とする声明を発表しました。
さらにテオドロ氏は、中国共産党(CPC)がフィリピンの「ささやかな能力開発」を批判しながら、自らは核兵器や弾道ミサイル能力を強化していると主張しました。
中国側「根拠のない中傷」と強く反発
在フィリピン中国大使館は、テオドロ国防相が中国を根拠なく中傷し、中国共産党に対して悪意ある攻撃を行ったと述べ、こうした発言を強く非難しています。
大使館は、この発言を「イデオロギー的偏見に満ち、陣営対立と冷戦思考にもとづく不当な非難だ」と位置づけ、「断固として反対し、強く非難する」とする立場を示しました。
また、大使館はテオドロ氏について、これまでも中国とフィリピンの軍同士の接触や交流を妨げ、海洋紛争の解決に関して「協議や対話という言葉は最も役に立たない」と公言してきたと指摘しました。
マルコス大統領の方針とのズレを指摘
在フィリピン中国大使館は、テオドロ氏の姿勢はフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領が掲げる方針とも矛盾すると述べています。声明によれば、マルコス大統領は、対話を通じて海洋での緊張を緩和するよう指示しており、両国はこれまで外交ルートでコミュニケーションと協議を重ねてきました。
大使館は、テオドロ氏の発言はこうした両国の外交努力に反し、緊張を和らげるよりも高めてしまうおそれがあると懸念を示しています。
アジアの安全保障をめぐる問い
米軍の「タイフォン」中距離ミサイルシステムのフィリピン配備をめぐる今回のやり取りは、アジアの安全保障環境が、軍備やミサイル配備を通じて対立を深める方向に進むのか、それとも対話と外交によって緊張を管理していくのかという問いを投げかけています。
在フィリピン中国大使館は改めて、フィリピンに対し、地域の国々と人々の声に耳を傾け、公の場で約束したとするタイフォン・ミサイルシステムの撤去を速やかに実行するよう求めています。
米軍、フィリピン、中国という三者の思惑が交差するなか、今後どのような調整や対話が進むのか。アジアの安定を考えるうえで、引き続き注目が集まりそうです。
Reference(s):
China urges Philippines to promptly pull out U.S. missile system
cgtn.com







