趙楽際氏「中国式現代化で立法府の役割強化を」全人代の動きはどこへ向かう?
中国の全国人民代表大会(全人代)のトップである趙楽際(Zhao Leji)氏が、立法機関である各級人民代表大会に対し、中国式現代化を進めるうえでの役割を一段と強めるよう呼びかけました。2025年現在、中国は中国式現代化を国家の重要方針の一つとして掲げており、その実行を支える制度づくりが加速しています。本記事では、その発言のポイントと背景を整理します。
全人代トップが呼びかけた「立法府のフル稼働」
趙楽際氏は、中国共産党中央委員会政治局常務委員であり、全人代常務委員会の委員長を務めています。今週開かれた立法会議の合間に行われた議員シンポジウムで、各級人民代表大会に対し、中国式現代化の推進で「役割を十分に発揮する」よう求めました。
趙氏は、全人代常務委員会が今年、新たな進展を遂げ、年間の経済・社会発展目標の達成に貢献し、中国式現代化の前進に「着実な歩み」を刻んだと評価しました。そのうえで、こうした流れをさらに加速させるには、立法機関の働きが重要だと強調しました。
キーワードは中国式現代化と「全過程人民民主」
今回の発言で目を引くのが、中国式現代化と並んで繰り返し言及された「全過程人民民主」という考え方です。これは、政策の立案から実行、評価に至るまで、あらゆる段階で人々の声を反映させるという仕組みを指すとされています。
趙氏は、人民代表大会のすべての仕事を「人民の意思」に基づいて行うよう求めました。単に法律を採決するだけでなく、
- 意見聴取や調査を通じて社会の声をすくい上げること
- 政策の実行状況を点検し、必要な修正を提案すること
- 長期的な発展目標と足元の課題を結びつけること
などを通じて、全過程人民民主を具体的に体現することが期待されているといえます。
「現実的で実務的な調査研究」を重視
趙氏はまた、「現実的で実務的なやり方」による調査と研究の重要性も強調しました。これは、机上の議論だけでなく、現場に足を運び、実態を把握したうえで法律づくりや制度設計を行うべきだというメッセージと受け止められます。
さらに、計画作りや政策の実施を「統一的かつ秩序立った形」で進めるよう求め、中央と地方、さまざまな部門の間での調整を重視する姿勢を示しました。中国式現代化の推進には、多くの分野が同時並行で動く必要があり、その調整役として立法機関の役割が増しているとも言えます。
第14期全人代第3回会議に向けた準備
趙氏が特に力を込めたのが、第14期全人代第3回年次会議に向けた「周到な準備」です。年次会議は、中国の重要な政策方針や法律が集中して議論される場であり、中国式現代化の具体的なロードマップを示す機会にもなります。
今回の呼びかけは、次の年次会議に向けて、
- 必要な法改正や新法の検討
- 経済・社会の課題に関する事前調査
- 人民の意見を幅広く組み込むための仕組みづくり
といった準備作業を加速させる狙いがあると考えられます。
日本の読者にとっての意味
今回の全人代トップのメッセージは、中国式現代化を進めるうえで、立法機関の役割をいっそう重視していることを示しています。これは、
- 中国の経済運営や産業政策の方向性が、法律や制度面からどのように支えられていくのか
- 「全過程人民民主」という枠組みのもとで、社会の意見がどのように政策に反映されるのか
- 次の全人代年次会議で、どの分野の法律や制度が重点的に議論されるのか
といった点を読み解くうえで重要なヒントになります。
日本やアジアのビジネス、政治、社会にとっても、中国の立法動向は無視できません。今後の全人代の議論や決定を追いかける際には、「中国式現代化」と「全過程人民民主」、そして立法機関の役割という三つのキーワードを押さえておくことが、状況を理解する手がかりになりそうです。
Reference(s):
Zhao Leji urges effective role of legislature in Chinese modernization
cgtn.com








