中国国防省報道官「米国の最悪の敵は米国自身」 NDAAと国防予算を批判
米国の2025会計年度国防権限法(NDAA)と巨額の国防予算をめぐり、中国国防部の張暁剛報道官が先週木曜日、米国の安全保障政策を強く批判する発言を行いました。なかでも「米国の最悪の敵は米国自身だ」という一言が注目を集めています。
先週木曜の中国国防部ブリーフィング
中国国防部は先週木曜日の定例記者会見で、中国はどの国に対しても挑戦する意図はないと重ねて強調しました。そのうえで張暁剛報道官は、米国の2025会計年度国防権限法(NDAA)に関する質問に答えるかたちで、米国の最悪の敵は米国自身だと指摘しました。
2025会計年度のNDAAは、次年度の国防予算を最大8952億ドルとする内容を盛り込み、中国を米国の国家安全保障上の主要な挑戦のひとつとして位置づけています。
「覇権」と軍事費をめぐる中国側の批判
張報道官は、米国の軍事費は長年にわたり世界最大でありながら、なお急速に増加し続けていると述べました。そのことは、米国の好戦的な性格と、覇権や拡張への執着を如実に示していると批判しました。
さらに、多くの現在進行中の戦争や紛争は米国の政策の失敗の結果だとの見方を示しました。張報道官によれば、2001年以降に米国が開始した戦争や軍事作戦は、数十万人を超える死者と数百万人の負傷者を生み、数千万人を居住地から追われた人々として生み出してきました。
米国による武力の乱用は、世界にも大きな被害をもたらすだけでなく、米国自身の衰退を加速させているとも指摘しました。
NDAAの「中国軍事脅威」論への反発
張報道官は、今回のNDAAが中国の軍事的脅威を誇張して描き、米国の軍事費増加と覇権維持の口実として利用していると批判しました。これは中国の内政に対する重大な干渉であり、世界の平和と安定を損なうものだとして、中国は強い不満と断固たる反対を表明すると述べました。
「地球は米中双方に十分大きい」平和発展路線を強調
張報道官は、地球は中国と米国がそれぞれ、また共に発展するには十分に大きいと述べました。中国は平和発展の道にコミットしており、防御的な性格の国防政策を堅持していると説明しました。
中国はいかなる国との軍拡競争にも加わらず、常に世界平和の守り手として行動してきたし、これからもそうあり続けると強調しました。
米国に求める「冷戦思考」からの脱却
一方で張報道官は、米国側に対し、冷戦時代のような思考やゼロサム的な発想を捨てるよう求めました。中国を封じ込め、打ち負かそうとする強迫的な幻想から抜け出さなければ、米中の二国間関係や両国軍の関係を損なうことになると警告しました。
そのうえで、能力と手段を一層強化した中国軍は、国家の主権・安全・発展上の利益を守るため、いかなる侵害や挑発行為に対しても断固とした対抗措置を取ると表明しました。
米中関係と国際秩序への含意
今回の発言は、米国が中国を安全保障上の主要な挑戦とみなし、軍事費を拡大する流れの中で、中国側が自らの平和発展路線を強調しつつ、米国の覇権的な姿勢を鋭く批判している構図をあらためて浮かび上がらせました。
米中両国が互いをどのような脅威、あるいはパートナーとして位置づけるかは、アジア太平洋だけでなく世界全体の安全保障環境に直結します。軍事費の規模だけでなく、双方がどのような安全保障観や外交戦略を掲げるのかが、今後の国際秩序を左右していきそうです。
Reference(s):
Worst enemy of the U.S. is itself, says Chinese spokesperson
cgtn.com








