砂漠の間に広がる緑の壁 新疆で3世代が守る14キロ×180キロの森
中国・新疆の広大な砂漠地帯で、幅14キロ、長さ180キロにわたる一本の「緑の壁」が、60年以上にわたり土地を守り続けています。Xinjiang Production and Construction Corps(新疆生産建設兵団)に所属する3世代の森林管理員、Zhu Hongweiさん、Song Caifuさん、Tuluxun Maimaitiさんが、自分たちの手で砂漠の前進を食い止めてきました。この静かな国際ニュースは、2025年の今、私たちにどんな問いを投げかけているのでしょうか。
60年以上つながる「3世代の森番」
Zhu Hongweiさん、Song Caifuさん、Tuluxun Maimaitiさんの3人は、Xinjiang Production and Construction Corpsで働く森林管理員です。3人はそれぞれ異なる世代を代表し、60年を超える年月をリレーするようにして、同じ地域の「緑の壁」を守ってきました。
この取り組みは、二つの砂漠に挟まれた土地を守るために始まりました。彼らは少しずつ緑を増やし、森を育て、世代をまたいでその役割を受け継いできました。今もなお、緑の壁は地域の土地を砂から守る大切な存在であり続けています。
14キロ×180キロの「緑のバリア」とは
3人が築き、維持してきた緑のバリアは、幅約14キロ、長さ約180キロにわたって続いています。二つの砂漠の間を帯のように伸びるこの森は、風の勢いを弱め、砂の移動を抑え、周辺の土地を守る役割を果たしています。
数字だけではイメージしにくいかもしれませんが、幅14キロという広がりは、一つの都市の中心部から周辺部までをすっぽり覆うほどのスケールです。こうした規模の「緑の帯」を、人の手で少しずつ育て、しかも60年以上にわたって維持してきたという事実は、地図上の線以上の重みを持っています。
「自分たちの手で砂漠を止める」日常
緑の壁づくりは、劇的な出来事の連続ではありません。3人が向き合ってきたのは、地道な日常の積み重ねです。
- 苗木を植え、根づくまで見守ること
- 枯れた木を見つけて植え替えること
- 強い風や乾燥で弱った場所を補修すること
- 長く続く防護林を巡回し、異変がないか確認すること
こうした作業を、暑さの厳しい季節も、寒さの厳しい季節も続けてきました。時間をかけて少しずつ育った木々がつながり、やがて幅14キロ、長さ180キロという「緑の帯」と呼べる規模になったのです。
2025年の今、なぜこの国際ニュースに注目するのか
2025年の今、世界各地で砂漠化や土地の劣化が進み、異常気象や干ばつへの不安が高まっています。そうしたなかで、Xinjiang Production and Construction Corpsの3世代の森林管理員が築き上げた緑の壁は、いくつかの点で重要な意味を持ちます。
- 一つの取り組みを、60年以上という長い時間軸で続けていること
- 世代の違う人たちが、同じ目標を共有し、役割を引き継いでいること
- 砂漠の前線で、地域の土地を守る具体的な行動を示していること
環境問題はよく「スケールが大きすぎて、個人にはどうにもできない」と語られます。しかし、この緑のバリアの物語は、少人数による継続的な努力が、やがて広い地域を守る力になり得ることを静かに示しています。
日本やアジアの私たちへのヒント
日本やアジアでも、豪雨や干ばつ、土砂災害など、気候や環境をめぐる課題が身近になっています。Xinjiangの緑の壁のような大規模な防護林づくりをすぐに真似することは難しくても、そこから学べる視点はいくつもあります。
- 「数年」ではなく「数十年」という時間軸で環境を考えてみること
- 世代を超えて取り組みを受け継ぐ仕組みを意識すること
- 身近な植樹や緑化活動といった小さな行動を積み重ねること
スマートフォン越しに世界のニュースを眺めていると、遠い地域の話のように感じられるかもしれません。それでも、砂漠の前線で森を守り続ける3人の存在は、私たちが足元の環境をどう守り、次の世代に何を残していくのかを考えるきっかけになります。
静かな「緑の壁」が問いかけるもの
二つの砂漠に挟まれた土地に、幅14キロ、長さ180キロの緑の帯をつくり上げたZhu Hongweiさん、Song Caifuさん、Tuluxun Maimaitiさん。彼らの仕事は、目立つ見出しにはなりにくいかもしれませんが、60年以上にわたって土地を守り続けてきたという意味で、非常に重いものです。
私たちは、日々の忙しさの中で、10年後、20年後、ましてや60年後の景色を想像することが難しくなりがちです。この静かな国際ニュースは、「自分がいない未来のために、今何を残せるか」という問いを、穏やかに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








