中国最高人民法院が2024〜2028年司法改革綱要 財産権保護を強化
中国最高人民法院が、2024〜2028年を対象とする新たな司法改革綱要を公表しました。財産権の司法保護を柱に、中国のビジネス環境における法の支配を一段と高めることを目指します。
2024〜2028年の「第6次」司法改革綱要とは
中国の最高人民法院(Supreme People's Court、SPC)は木曜日、全国の各級人民法院(裁判所)に向けた5カ年の改革綱要を発表しました。計画は2024年から2028年までの5年間を対象とし、今回で第6次となります。
新しい綱要には、全国の人民法院が取り組むべき200を超える具体的なタスクが盛り込まれており、9つの主要分野にまたがっています。中心に据えられているのが、財産権の司法保護と、企業活動を支える安定した法的環境の整備です。
すべての所有形態の財産権を平等に保護
綱要によると、中国経済に存在するあらゆる所有形態の財産権について、平等かつ長期的な保護を徹底することが掲げられています。国有企業か民間企業かといった違いにかかわらず、同じ基準で守られるべきだとしています。
- すべての所有形態の財産権を、平等で安定した形で保護する
- どの所有形態に属する財産権であっても、その正当な利益を侵害する行為は等しく問われ、犯罪として構成されうる
- 侵害行為は法に基づき、同じ基準で処罰する
最高人民法院の司艶麗(Si Yanli)氏は記者会見で、これらの取り組みにより、すべての所有形態の経済主体が、生産要素への平等なアクセス、公正な市場競争への参加、そして平等な法的保護を享受できるようにする狙いがあると説明しました。
企業事件の「グレーゾーン」を減らす仕組みづくり
綱要はまた、企業をめぐる事件で、刑事・行政・民事の要素が入り混じるケースに対応するため、事件処理のメカニズムや裁判ルールの整備を求めています。
- 刑事・行政・民事が交錯する事件について、処理手順や判断基準を改善する
- 企業関連事件で頻繁に問題となる、犯罪と非犯罪の境界を一層明確にする
- 企業をめぐる不当な起訴や誤判(誤った有罪認定など)を、効果的に防ぎ、適切に識別し、是正するためのメカニズムを構築する
さらに、綱要は「保全手続き」の厳格な運用も打ち出しています。ここでいう保全とは、裁判手続きの中で、判決が確実に履行されるよう、財産を仮に差し押さえたり、凍結したりする措置を指します。
- 保全手続きは、法に基づき厳格に運用する
- 新しい保全方法の導入や、保全措置を解除するための仕組みづくりを探る
起業家の安心感と公正な市場をめざして
司氏は、今回の改革により、起業家が自らの人身の安全と財産の安全について、より強い安心感を持てるようになるとの見通しを示しました。その結果として、起業や投資により専念しやすくなり、事業運営にも落ち着いて取り組めるようにすることが期待されています。
また、改革はビジネスの運営ルールを一層明確にし、公正な市場競争を確保することも目指しています。さらに、企業の救済や退出のメカニズム、そして「法にもとづくビジネス環境」を支える司法保護の仕組みの改善にもつながるとされています。
日本を含む国際ビジネスへの視点
中国本土の司法改革、とくに財産権保護の強化は、中国で事業を展開する企業や、中国企業と取引する海外のビジネス関係者にとっても注目すべき動きです。法に基づくビジネス環境が整うほど、取引条件やリスクの見通しは立てやすくなります。
2024〜2028年の5カ年改革綱要には、200を超えるタスクが盛り込まれており、その実行状況が今後の焦点となります。中国の裁判所がどのように運用し、企業や起業家の現場でどのような変化が生まれるのか。日本からも継続的にフォローしていく価値のあるテーマと言えそうです。
Reference(s):
China's Supreme People's Court unveils five-year reform plan
cgtn.com








