深海から蘇った法華彩磁の壺 海南省・China Museum of the South China Sea の誇り video poster
深海から引き揚げられた一つの磁器の壺が、いま中国・海南省にある China Museum of the South China Sea の「誇り」となっています。海から陸へと渡ってきたこの壺は、南シナ海と中国の歴史、そして海の向こうの世界を静かに語りかける存在です。
深海から展示室へ 海底の壺がたどった道
今回紹介するのは、法華彩と金彩が施された磁器の壺です。長い時間、深い海の底に眠っていたとされるこの壺は、専門チームによる引き揚げと保存処理を経て、博物館の展示室へと移されました。
水中から引き揚げられた文化財は、急激な環境の変化で壊れやすくなります。そのため、塩分を抜く作業や乾燥のコントロールなど、慎重な保存処理が欠かせません。この壺も、そうした水中考古学の技術によって、現在の姿を保っていると考えられます。
2025年現在、この壺は China Museum of the South China Sea を代表する作品として、多くの来館者の視線を集めています。
法華彩と金彩 壺を特徴づける二つの表現
この壺を特別なものにしているのが、法華彩と呼ばれる色彩表現と、表面を飾る金彩です。
- 法華彩:鮮やかな色釉で文様を浮かび上がらせる装飾技法とされ、青や緑、黄色などのコントラストが特徴です。
- 金彩:金を含む塗料で線や模様を描き、焼き付けることで、光を受けてきらめく効果を生み出します。
深い海の底で長い時間を過ごしながらも、色彩と金の輝きがなお残っていることは、この壺の制作技術の高さと、保存状態の良さを物語っています。
南シナ海と中国をつなぐ物語の「象徴」
China Museum of the South China Sea は、その名の通り南シナ海と関わりの深い歴史や文化を伝える役割を担っています。深海から引き揚げられたこの壺は、次のような点で同館の「誇り」となっていると考えられます。
- 海上交通や交易の歴史を、具体的な物証として示してくれること
- 高度な磁器制作技術と美意識を伝える芸術作品であること
- 水中考古学や文化財保護の成果をわかりやすく体現していること
一つの壺に、工芸、歴史、科学という複数のテーマが重なっている点が、この作品の大きな魅力です。
なぜ今、深海からの壺が注目されるのか
2020年代に入り、世界各地で水中考古学や海底遺跡への関心が高まっています。中国・海南省から伝えられる今回の文化ニュースも、そうした流れの中で国際ニュースとして紹介されています。
深海から引き揚げられた壺は、単なる珍しい展示品ではありません。海を通じた人と人、地域と地域のつながりを私たちに思い起こさせる、静かなメッセージでもあります。
南シナ海の名を冠する博物館の「誇り」であるこの壺を前にしたとき、来館者はきっと、自分と海との関わりや、遠く離れた土地とのつながりに思いを巡らせるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com







