中国チャガン湖で冬の漁まつり開幕 氷上の伝統漁と一番魚競売
チャガン湖で冬の漁まつり開幕
2025年12月、中国吉林省松原市のチャガン湖で、今年も恒例の冬の漁まつりが始まりました。氷に覆われた広大な湖で行われるこの行事は、中国の冬の風物詩として国内外から注目を集めています。
チャガン湖は中国でも有数の淡水湖で、豊かな漁業資源と、遼・金の時代までさかのぼる冬の伝統漁で知られます。この冬も、伝統文化と観光が一体となったイベントとして開催されています。
数百年続く氷上の伝統漁
チャガン湖の冬の漁は、まず自然の恵みに感謝し、豊漁を祈る厳かな儀式から始まります。主催者が湖と自然に祈りを捧げるこのセレモニーは、訪れた人々に地域の信仰や世界観を伝える重要な場となっています。
その後、漁師たちは分厚い氷に人力で穴を開け、湖底に網を仕掛けていきます。氷点下のなか、長年の経験に基づく位置取りやチームワークが求められる作業です。
馬と人がつくるダイナミックな光景
見どころの一つが、馬が引く巻き上げ機を使って網を引き上げる場面です。氷上を駆ける馬と、それに合わせて動く漁師たち。巨大な網が次々と魚を抱えて姿を現す瞬間は圧巻で、国内外の観光客が毎年この光景を一目見ようと集まります。
現地では、こうした伝統的な手法が現在も受け継がれており、人と自然の距離が近い漁の姿が今も残っています。
幸運を象徴する一番魚の競売
冬の漁まつりのハイライトが、そのシーズン最初に揚がった魚「一番魚」の競売です。縁起物とされる一番魚には、毎年高値が付きます。
今年は、この一番魚が119万9999元(約16万4000ドル)で落札されました。単なる魚ではなく、「幸運」と「豊かさ」を分かち合う象徴として、人々の期待が価格にも反映されていると言えます。
今季の漁獲と体験できるコンテンツ
今冬、チャガン湖では約1500トンの漁獲が見込まれています。氷上の漁を中心に、会場ではさまざまな文化・観光イベントも行われ、訪れる人々がチャガン湖の漁文化を立体的に体験できる工夫がされています。
- 伝統儀式の見学
- 冬の漁の実演
- 関連する文化イベントやパフォーマンス
- 地域の食文化に触れられるブース
こうした取り組みは、冬季観光の活性化だけでなく、地域の暮らしや歴史を知る場にもなっています。
無形文化遺産としてのチャガン湖の冬漁
チャガン湖の冬の漁は、2008年に国家級の無形文化遺産に登録されています。単なる伝統行事ではなく、自然環境、生活の知恵、共同体の絆が凝縮された文化として位置づけられています。
氷上の儀式や漁の技術だけでなく、漁師や地域の人々が受け継いできた物語や信仰も含めて守り、次の世代につなげていくことが重視されています。
2025年の今、私たちに問いかけるもの
国際ニュースとしてこの冬の漁まつりを見てみると、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- 伝統文化を観光と結びつけ、地域経済と文化継承を両立しようとする動き
- 大量生産・大量消費とは異なる形で、自然と向き合う漁のあり方
- 一番魚のような象徴的なイベントを通じて、文化に新しい意味や価値を与える試み
チャガン湖の冬の漁まつりは、2025年の今、伝統と観光、環境と経済のバランスをどう取るのかという問いを、静かに投げかけているようにも見えます。氷の下に広がる湖の豊かさと、それを大切にしながら生きてきた人々の知恵に目を向けるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








