国際ニュース:中国・習近平氏が2025年の新年メッセージ 生活向上とグローバル協力を強調
2024年の大みそか、2025年の幕開けを前に、中国の習近平国家主席が北京の執務室から新年メッセージを発表し、2024年を「異例の一年」と振り返りながら、中国の現代化と人々の暮らし、そして世界との協力に向けた決意を語りました。
とくに、2025年に向けて「中国の人びとの顔にもっと多くの笑顔をもたらす」と強調し、中国国内の生活向上と、より良い世界の未来づくりを同時に進める姿勢を打ち出しています。
2025年の年頭演説が示したキーワード
演説のなかで習主席は、2024年の中国が「中国式現代化」をめざして大きく前進した一年だったと位置づけました。そのうえで、国内外の政策を貫くキーワードとして、次の三つを掲げています。
- 人々の生活の質向上
- 責任ある大国としての役割
- 対話による平和的解決
70%を民生に投じた2024年 所得・住宅・高齢化対策
習主席は「雇用や所得、高齢者や子どものケア、教育、医療など、人々の心配事は常に心にかけている」と述べ、2024年に各地を訪問して市民の生活実態を聞き取ってきたことに言及しました。
中国財政省によると、2024年の政府支出の7割は、人々の暮らしの安定と向上のために使われました。具体的には、次のような施策が進められています。
- 5万を超える老朽化した都市部の住宅コミュニティの改修がスタート
- 数百億ドル規模の消費財買い替え支援プログラムにより、数千万人が恩恵を受けた
- 住宅ローン金利の引き下げにより、約5,000万世帯(約1億5,000万人)が負担軽減
2024年1〜9月期の1人当たり可処分所得は3万941元(約4,178米ドル)となり、前年同期比で5.2%増加しました。所得面でもプラス成長を保ったかたちです。
一方で、人口の5分の1超が60歳以上という高齢化の課題も演説で取り上げられました。中央政府は2024年に全国の高齢者向け配食支援のため3億元を拠出したほか、在宅介護用ベッド35万8,000床の整備が進められました。
習主席は「私たちの前にある仕事の中で、最も重要なのは人々の幸福な生活を保障することだ」と強調し、民生を最優先に置く姿勢を改めて示しました。
「責任ある大国」としての高い開放レベルとグローバルサウス連携
国際社会について習主席は、変動と不安定が共存する世界のなかで、中国は「責任ある大国」としてグローバルガバナンス(国際的なルールづくり)の改革を積極的に後押しし、グローバルサウス諸国との連帯と協力を深めていると述べました。
2024年には、高水準の対外開放と「ウィンウィンの協力」を掲げる中国の姿勢が、多くの国と地域にとって現代化を進めるうえでの機会になったとアピールしました。
貿易面では、中国の主要な貿易パートナーは1年で140余りから150を超える国と地域へと拡大。さらに、54カ国の人々が中国で最大240時間までのトランジットビザ免除を受けられるようになりました。
グローバルサウスとの対話では、平和五原則70周年の記念行事で、習主席が研修や若者交流、経済発展、自由貿易、農業協力、デジタル経済、グリーン成長、環境保護といった分野を対象とする8つの支援措置を提案しました。
また、中国はアラブ諸国とのあいだで、イノベーション、金融、エネルギー、経済・貿易、人と人との交流という5つの協力枠組みを構築。中南米・カリブ諸国とは開発戦略の連携を深め、太平洋の島しょ国との協力も一段と強化したとしています。
北京で開催された中国・アフリカ協力フォーラム首脳会合では、「新時代の全天候型の中国・アフリカ運命共同体」を掲げ、今後3年間で10の協力行動を実施し、ともに現代化を進めていく方針が打ち出されました。
ガザやウクライナでも「対話による平和」を強調
安全保障分野でも、2024年の中国は紛争の平和的解決に向けた姿勢を強く打ち出しました。
パレスチナ・ガザ情勢をめぐっては、3月に国連安全保障理事会で採択された停戦決議の成立を後押ししたほか、7月にはパレスチナ内部の団結強化をうたう「北京宣言」の採択を支援しました。
また、ウクライナ危機に関しては、グローバルサウス諸国とともに「平和の友」グループを立ち上げ、対話とコンセンサスによって解決策を探る枠組みづくりに関わっています。
演説では、こうした取り組みを踏まえ、中国は各国と手を携えて友好と協力を促進し、異なる文明間の相互学習を深め、人類が共に未来を分かち合う「人類運命共同体」の構築を進めていくと改めて誓いました。
新年メッセージから見える中国の内政と外交
2025年の幕開けに発表された新年メッセージは、中国国内の生活水準向上と、グローバルサウスをはじめとする国と地域との協力、そして対話による平和的解決を一体のものとして描いている点が特徴的です。
人口高齢化や地域格差などの課題に向き合いながら、雇用や福祉への投資を拡大すること。その延長線上に、開放的な経済協力や平和外交を位置づけるという発想は、今後の中国の動きを考えるうえで重要な視点になりそうです。
2025年の残りの時間とその先に向けて、中国が掲げる「より多くの笑顔」と「共有される未来」が、どのようなかたちで具体化していくのか。周辺のアジア諸国や世界の動きとあわせて注視していくことが求められます。
Reference(s):
Ringing in 2025, China vows to bring more smiles to its people
cgtn.com








