タクラマカン砂漠を囲む緑のベルト、その先の新しい目標とは
中国最大のタクラマカン砂漠をぐるりと取り囲む「緑のベルト」が2024年11月、南側の最後の一区画で完成しました。しかしプロジェクトはそこで終わりではなく、2025年の今も新たな目標に向けて静かに進化し続けています。
タクラマカン砂漠を取り囲む緑のベルトが完成
2024年11月28日、中国の新疆ウイグル自治区ユーティアン県(于田県)のタクラマカン砂漠南部で、大きな節目が訪れました。砂漠の南縁にある緑化地帯で、最後のバラの苗木が植えられ、南側の緑の帯が完成したのです。
この苗木が植えられたことで、タクラマカン砂漠は緑の帯で一周取り囲まれたとされています。過酷な環境で続いてきた長年の砂漠化対策が、一つの「一周達成」という形になった瞬間でした。
終わらない砂漠化対策:新たな目標は厚みと強さ
とはいえ、砂漠化との闘いはここで終わっていません。現地では今も、砂漠の縁を走る緑の帯をさらに広げ、強くする作業が続いています。
ユーティアン県では、次のような形で砂地の整備が進められています。
- 砂丘をブルドーザーでならす
- 大きな窪地を土砂で埋める
- 約530ヘクタール超の砂地を平らにし、植生の定着を助ける
こうした作業は、緑の帯の幅を広げると同時に、砂が再び動き出さないよう地表を安定させる狙いがあるとみられます。「囲む」ことに成功した今、プロジェクトは緑のベルトにどれだけ厚みと強さを持たせられるかという段階に入っています。
なぜこのニュースが重要なのか
タクラマカン砂漠は、中国最大の砂漠です。その周囲を緑のベルトで囲む取り組みは、砂漠の拡大を抑え、人の暮らしやインフラを守る長期的なプロジェクトだといえます。
砂漠化対策は、1回植林して終わりではありません。苗木が根付き、砂嵐に耐えられるまで成長するには時間がかかり、風や雨で地形も変わります。緑のベルトが一周した「その先」で、どれだけ維持・強化できるかが問われています。
「完成」の先をどうデザインするか
ユーティアン県で進む530ヘクタール規模の整地作業は、単に面積を増やすだけでなく、緑化の「質」を高めるフェーズに入っていることを示しているように見えます。
たとえば、
- 緑の帯に切れ目や弱い部分をつくらない
- 植生が根付きやすいよう、極端な起伏をならす
- 将来的な道路や農地、防風林など、多目的な土地利用を見据える
といった視点が重なり合うことで、砂漠の縁がより安定した空間へと変わっていく可能性があります。
私たちへの問い:長い時間軸で環境を考える
今回のタクラマカン砂漠のニュースは、「象徴的なゴール」の後にこそ、本当の意味での環境づくりが始まるということを示しています。
2025年の今、緑のベルトはすでに砂漠を一周していますが、その幅をどう広げ、どれだけ強く、持続可能なものにしていくのか。これは、砂漠化が進む地域に限らず、都市の緑地や防災インフラづくりを考える私たちにも共通するテーマです。
タクラマカン砂漠の縁で続く静かな作業は、環境問題に向き合うときの「終わりのないプロジェクト」という現実を、わかりやすく映し出しているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








