中国、2030年までに認知症予防・ケア体制を構築へ
中国当局は、高齢の認知症患者が増加するなか、2030年までに予防から介護までを一体で支える包括的な認知症対策システムを整備する行動計画を打ち出しました。
15部門が連携する「2030年ビジョン」
国家衛生健康委員会(National Health Commission)、国家発展改革委員会(National Development and Reform Commission)、教育部(Ministry of Education)など15の当局が共同で行動計画を発表しました。計画は、高齢者の認知症が増える現状に対応することを目的とし、予防、検診(スクリーニング)、診断、治療、リハビリテーション、介護を一本の流れで支える体制づくりを掲げています。
2030年までに整備する認知症対策システム
行動計画によると、中国は今後徐々に、「予防・スクリーニング・診断・治療・リハビリ・ケア」が切れ目なく提供される認知症対策システムを構築していきます。
2030年までに、次のような状態を目指すとしています。
- 標準化された認知症の診断・治療メカニズムが改善されること
- 高齢者を対象とした認知機能スクリーニングが全面的に実施されること
7つの重点タスク:予防から社会づくりまで
行動計画では、認知症対策を進めるために7つの重点タスクが示されています。そのうち公開されている主な項目は次のとおりです。
- 認知症の予防とコントロール(管理)に関する基礎知識の普及
- 認知症のスクリーニングと早期介入の実施
- 認知症の高齢者向けケアサービスの供給拡大
- 認知症にやさしい社会環境の整備
- 認知症対策に関する対外的な交流と協力の強化
これらを含む7つの分野で、段階的に具体策を進めていく方針です。
介護基盤の数値目標:50%と1,500万人
行動計画は、介護の現場づくりについても具体的な数値目標を掲げています。
- 100床以上の介護施設で、認知症高齢者向けの専門ケアエリア(ユニット)を設置し、必要なサービス提供能力を備える施設の割合を50%にする
- 認知症高齢者のケアに携わる人材について、計1,500万人の養成を目指す
こうした目標により、認知症の高齢者が暮らす場と、それを支える人材の両面で体制強化を図る考えです。
「認知症フレンドリー」な社会へ
行動計画は、医療や介護だけでなく、人々の理解や地域社会のあり方にまで踏み込んでいます。認知症への基本的な知識を広く共有し、当事者や家族が孤立しないよう支える「認知症フレンドリー」な環境づくりを重視している点が特徴です。
高齢化が進む社会において、認知症への備えは重要な政策テーマです。中国の今回の取り組みは、高齢者政策や医療・介護体制のあり方を考えるうえで、他の国や地域にとっても参考となる動きだと言えます。
Reference(s):
China to set up prevention, control system for senile dementia by 2030
cgtn.com








