中国国務院、移民労働者の賃金保護と都市再開発を協議
中国ニュースとして注目される動きです。中国の李強首相は金曜日に開かれた国務院常務会議を主宰し、移民労働者の賃金保護、都市再開発、古木・名木の保護という三つのテーマについて集中的に議論しました。
会議の柱は「民生」「都市再開発」「環境保護」
今回の国務院常務会議では、次の三つが主要な論点となりました。
- 移民労働者の賃金支払いの確保と権利保護
- 都市再開発を通じた生活の質向上と内需拡大
- 古木・名木を守るための新たな保護規則の策定
いずれも人々の暮らしに直結し、中国国内の経済運営や都市政策を理解するうえで重要なテーマです。
移民労働者の賃金保護は「人々の幸福にかかわる重大問題」
会議はまず、移民労働者の賃金支払いを確実にすることが「人々の幸福にかかわる重大な問題」だと位置づけました。ここでいう移民労働者には、地方から都市へ移動して働く人々などが含まれます。
会議では、次の点が強調されました。
- 移民労働者の合法的な権利と利益を、着実に守ること
- 賃金の支払い状況を把握しやすくするため、関係部門間のデータ連携を強化すること
- 特に、人力資源・社会保障部門と財政部門などの情報をつなぎ、未払いなどの問題に早期対応できる体制を整えること
賃金の未払いは社会不安につながりやすく、都市部の労働市場を支える移民労働者の生活基盤にも直結します。会議は、この分野の対策を「真剣に取り組むべき課題」として位置づけました。
都市再開発:住みやすいスマートシティづくりと内需拡大
次に取り上げられたのが都市再開発です。会議は、都市の更新は「都市の見た目と生活の質を高める」だけでなく、「国内需要を拡大する重要なレバー(てこ)」になると評価しました。
老朽エリアの改修とインフラ更新を加速
会議では、具体的に次のような方針が示されました。
- 老朽化した住宅団地や街区、工場地区、都市村の改修を加速すること
- 道路や上下水道など、都市インフラの改修・更新を一段と強化すること
- 都市の生態系を修復しつつ、都市の歴史や文化を守ること
単なる建て替えではなく、「住みやすさ」と「歴史・文化」、「環境」をどう両立させるかが課題となっていることがうかがえます。
資金・土地の供給強化と民間資本の呼び込み
都市再開発を進めるためには、資金や土地の安定した供給が不可欠です。会議は、次の点を打ち出しました。
- 都市更新に必要な資金や土地といったリソースの供給を強化すること
- より多くの民間資本が都市再開発プロジェクトに参加するよう促すこと
政府主導のプロジェクトだけでなく、民間の資金とアイデアを取り込むことで、多様な都市づくりを進めていく狙いが読み取れます。
地域の実情に応じたイノベーションを支援
さらに会議は、「地域ごとの実情に応じた革新的な取り組み」を支える姿勢も打ち出しました。画一的なモデルではなく、各地が創意工夫を凝らして都市更新を進めることで、「高品質な都市発展」をめざす方針です。
古木・名木の保護:規格づくりと違法行為の取り締まり
会議はまた、古木や名木を保護するための規則案を審議・承認しました。都市の急速な発展のなかで、長年その土地を見守ってきた樹木をどう守るかは、環境と文化の両面から注目されるテーマです。
会議は、次のような点を強調しました。
- 古木・名木の保護に関する管理基準や支援制度を早急に整備・改定すること
- 古木への毒物投与や違法伐採といった行為を厳しく取り締まること
都市の緑と生態系を守りつつ、歴史や文化の象徴でもある樹木を次世代に引き継いでいく姿勢が示されたかたちです。
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回の国務院常務会議の内容からは、中国が次の三点に重点を置いていることが見えてきます。
- 移民労働者の賃金保護を通じて、労働者の権利と社会の安定を図ること
- 都市再開発を、生活の質向上と内需拡大の両方につなげようとしていること
- 古木・名木の保護を強化し、環境と都市の歴史・文化を守ろうとしていること
移民労働者の権利、スマートシティやレジリエント(強靭)な都市づくり、歴史と環境を両立させる都市政策などは、日本を含む多くの国や地域に共通する課題でもあります。中国の動きを追うことで、アジアの都市がこれからどのように変わっていくのかを考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Migrant workers' rights among key topics in State Council meeting
cgtn.com








