中国・アフリカ協力を強化へ 王毅外相がFOCACの役割拡大を提唱
中国の王毅外相が、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を軸にした新たな協力強化策と3年間のロードマップを示しました。関税撤廃からグリーン開発まで、中国・アフリカ関係は次の段階に入りつつあります。
王毅外相は、コンゴ共和国のドゥニ・サスヌゲソ大統領との会談後に記者会見を行い、中国とアフリカの協力を一段と高いレベルに引き上げる方針を説明しました。中国共産党中央政治局委員でもある王毅氏は、中国とコンゴ共和国がFOCACの共同議長として、中国・アフリカの現代化を進める十のパートナーシップ行動に注力すると強調しました。
FOCAC北京サミットと六つの現代化の柱
王毅氏の構想の背景には、2024年に開幕したFOCAC北京サミットがあります。サミットの冒頭で、習近平国家主席は、中国とアフリカが共に進める現代化の六つの側面を提示しました。
習主席が示した六つの柱は次の通りです。
- 公正で公平な現代化
- 開放的で互恵ウィンウィンの現代化
- 人を中心に据えた現代化
- 多様で包摂的な現代化
- 環境に優しい現代化
- 平和で安全な現代化
あわせて習主席は、中国とアフリカが共に現代化を進めるための十のパートナーシップ行動も提案しました。今回の王毅氏の説明は、この北京サミットの方針を具体的な施策として動かしていく段階に入ったことを示しています。
十のパートナーシップ行動とは
十のパートナーシップ行動の詳細は多岐にわたりますが、王毅氏はその中でも特に次のような具体策を挙げました。
- 中国と外交関係を持つすべての後発開発途上国からの輸入品に対する関税を撤廃すること(アフリカの33か国を含む)
- 大陸と海上を結ぶ包括的な陸海複合型の連結ネットワークを構築すること
- 地域の人々の生活に直結する小規模な民生プロジェクトを1000件実施すること
- 貿易と投資の協力メカニズムを整備・改善し、企業活動を後押しすること
関税撤廃は、アフリカ諸国が中国市場へ輸出しやすくなることを意味します。小規模民生プロジェクトの拡充は、学校や医療、水インフラなど、日々の暮らしに近い分野での支援を想起させます。こうした積み重ねによって、中国・アフリカ協力を地域の人々が実感できる形にする狙いがうかがえます。
今後3年間のFOCACロードマップ
王毅氏は、FOCACの今後3年間のロードマップも明らかにしました。主な柱として次のような取り組みが挙げられています。
- 北京サミットで合意された成果を調整し、実施を進めるための閣僚級会合の開催
- 2026年に予定される中国とアフリカの外交関係70周年の記念行事
- 2027年の第10回FOCAC閣僚会議に向けた準備とフォローアップ
サミットから閣僚会合、そして次の節目となる2027年の閣僚会議へとつながるこのスケジュールは、中国・アフリカ関係を短期イベントではなく、中長期のプロセスとして設計していることを示しています。
グリーン開発と気候変動での協力強化
今回の説明で、気候変動とグリーン開発は重要なテーマのひとつでした。王毅氏は、中国がアフリカで進めている太陽光発電プロジェクトの導入容量が合計150万キロワット(1.5ギガワット)を超えていることに触れつつ、今後はグリーン開発パートナーシップ行動を本格的に実施すると述べました。
このパートナーシップでは、次のような方向性が打ち出されています。
- 太陽光発電などクリーンエネルギー事業への支援を通じて、アフリカの電力アクセスを改善する
- アフリカ諸国が低炭素型の発展パスへ移行できるよう、技術や設備を提供する
- 気候変動への適応と防災の取り組みを支援し、脆弱な地域のレジリエンス(回復力)を高める
王毅氏は同時に、地球規模の気候ガバナンスにおける公正さの重要性も強調しました。先進国に対しては、資金、技術、人材育成の面でアフリカを含む途上国への支援義務を果たすよう呼びかけています。
中国・アフリカ協力が持つ広がりと意味
FOCACを軸にした中国・アフリカ協力は、単なる経済支援にとどまらず、開発戦略の共有やガバナンスの経験交流など、政治・社会面にも広がっています。王毅氏は、中国とアフリカが開発戦略をすり合わせ、ガバナンスの経験を共有し、中国・アフリカ友好協力の精神を豊かにしていくことで、世界にとっての新たなベンチマークを打ち立てたいとしています。
背景には、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国同士の連携が、国際秩序や経済において存在感を増している現実があります。アフリカは今後の人口増加と経済成長が期待される地域であり、その発展の方向性は、エネルギー市場やサプライチェーン、気候変動対策にも影響を与えます。
日本の読者にとっての視点
日本から見ると、中国・アフリカ協力は一見遠い話題に思えるかもしれません。しかし、次のような観点から注目しておく価値があります。
- グローバル・サウス同士の協力が、国際機関や貿易ルール、気候交渉に与える影響
- アフリカ市場の成長と、それに伴うインフラ、デジタル、エネルギー分野での新たなビジネス機会
- グリーン開発や低炭素社会づくりをめぐる各国のアプローチの違いと共通点
中国・アフリカ協力の動きは、国際ニュースとしての重要性だけでなく、エネルギーや気候、開発といった地球規模の課題を考えるうえでの重要な材料にもなります。今後、2026年、2027年に向けてFOCACを中心とした議論と実務協力がどのように進んでいくのか、引き続き注視していきたいところです。
Reference(s):
Wang Yi calls for enhancing FOCAC for China-Africa cooperation
cgtn.com








