国際ニュース:片腕ザルと尼僧・僧侶の15年、絆の物語が中国本土で話題
片腕のサルと尼僧・僧侶の物語が映す、静かな国際ニュース
派手な事件や対立が目立つ国際ニュースの中で、片腕を失った一匹のサルと、彼女を15年以上世話してきた尼僧と僧侶の物語が、静かにオンライン空間で注目を集めています。
中国本土・浙江省寧波市寧海県の大梁山に暮らすチベットモンキー「星星(Xing Xing)」と、そのそばに寄り添ってきた高齢の仏教の尼僧と僧侶。その関係性が、ここ最近SNSで「癒やしのニュース」として広く共有されています。
星星とはどんなサル?
星星は、チベットモンキー(チベットマカク)と呼ばれるサルの一種で、片腕を失いながらも山で暮らしています。名前の「Xing Xing」は中国語で「星」を意味し、夜空に輝く星のような存在になってほしいという願いが込められているようにも聞こえます。
彼女は、浙江省寧波市寧海県の大梁山で暮らす唯一のサルとされており、ほかの仲間がおらず、長らく人間とともに時間を過ごしてきました。
15年以上続く、尼僧と僧侶との絆
星星が注目されている最大の理由は、そのそばに寄り添い続けている二人の存在です。大梁山で星星のそばに寄り添ってきた高齢の仏教の尼僧と僧侶が、15年以上にわたって星星の世話を続けています。
片腕を失った星星にとって、人間の支えは生きるうえで大きな意味を持ちます。一方で、尼僧と僧侶にとっても、星星は日々の暮らしの中で静かに寄り添ってくれる家族のような存在になっていると見ることもできます。
「支える」と「支えられる」の関係
表向きには、人が動物を「世話する」側に見えますが、長く続く関係ほど、支える側と支えられる側の境目はあいまいになります。星星の存在が、尼僧と僧侶の心の支えになっている可能性も十分に想像できます。
こうした相互の支え合いが、画面越しに伝わるからこそ、多くの視聴者が「ただの動物動画」にとどまらない温かさを感じているのでしょう。
SNSでなぜここまで話題になったのか
2025年の今、SNSでは刺激的な映像や対立をあおる投稿が拡散されやすいと言われます。その一方で、星星と尼僧・僧侶のような、静かで小さな物語が強く支持されるのもまた事実です。
星星のストーリーがオンラインで人気を集めた背景には、次のような要素が重なっていると考えられます。
- 片腕を失ったサルがたくましく生きる「逆境を乗り越える物語」であること
- 高齢の尼僧と僧侶が15年以上ケアを続けているという「時間の重み」があること
- 宗教者と野生動物という、あまり見慣れない組み合わせが生む「意外性」
- 特定の言語に依存せず、映像や表情だけでも伝わる「わかりやすさ」があること
国や文化が異なっても、「弱い立場にある存在を大切にする姿」に心を動かされる人は多くいます。その意味で、このニュースは国際ニュースでありながら、私たち一人ひとりの身近な感情に触れる話題だと言えます。
オンラインで広がる「癒やしニュース」の役割
忙しい日常の中で、ユーザーが短い動画や記事をスクロールし続けるSNSのタイムライン。そこで星星のような存在がふと目に入ると、多くの人がスクロールの手を止めます。
こうした「癒やしニュース」や「心温まるストーリー」は、単にかわいい、感動するだけでなく、次のような役割も果たしています。
- 人と動物の関わり方を見つめ直すきっかけを与える
- 高齢者のケアや孤立といった社会課題を、遠回しに考えさせる
- 国境を超えた共感を生み、世界のどこかで生きる他者の暮らしに目を向けさせる
星星と尼僧・僧侶の物語も、その一つとして、2025年現在、多くのユーザーの間で共有され続けています。
野生動物との距離感をどう考えるか
一方で、オンラインで話題になる動物の多くは、人間が近くで世話をしているケースでもあります。星星のように、人と深く関わりながら生きる野生動物の姿は、私たちに次のような問いも投げかけます。
- 人間のケアは、その動物にとって本当に最善の形になっているか
- オンラインでの人気が、動物に過度なストレスや観光圧を生んでいないか
- 「かわいい」「癒やされる」という感情の先に、保護や共生について考える視点を持てるか
これは中国本土に限らず、世界各地で共通する課題です。星星のニュースをきっかけに、私たち自身が動物動画や「バズった」生き物のニュースをどう受け止めるのか、一度立ち止まって考えてみることも大切です。
このニュースから私たちが受け取れるもの
星星と尼僧・僧侶の15年以上にわたる関係は、「誰かを気にかけ続ける」という行為の強さを静かに伝えています。大きな制度や政策の話ではなく、山の中の小さな日常から見えてくるやさしさです。
国際ニュースとしてこの物語を追うとき、私たちが持ち帰れるポイントは次のようなものかもしれません。
- 弱い立場にある存在を、長い時間をかけて支えることの意味
- 支える側もまた、支えられているという相互性
- オンラインでの「いいね」の先にある、現実の暮らしへの想像力
星星のような物語に心を動かされたとき、その感情を一度言葉にしてみることが、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
スマートフォンの小さな画面から届いた、片腕のサルと二人の宗教者の物語。そこに映っているのは、遠い国の特別な出来事というよりも、「誰かを思う気持ち」が形になった風景そのものなのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








