王毅外相のアフリカ歴訪:中国・アフリカ関係の新たなスタート
中国の王毅外相が今年1月、ナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアのアフリカ4カ国を歴訪しました。年初の最初の海外訪問として35年続くアフリカ訪問の伝統を引き継ぐとともに、FOCAC北京行動計画2025-2027の実施がいよいよ動き出すことを示す象徴的なツアーとなりました。
中国とアフリカの関係は、現在「新時代の全天候型の運命共同体」と位置づけられており、今回の訪問はその具体的な中身を形にしていくスタートラインでもあります。ここでは、専門家3人が指摘したとされる三つのポイントを手がかりに、このアフリカ歴訪の意味を読み解きます。
王毅外相のアフリカ歴訪とは
このアフリカ歴訪は、1月5日から11日にかけて行われました。訪問先はナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアの4カ国で、中国の外相が年明け最初の海外訪問先としてアフリカを選ぶという35年にわたる慣行が、2025年も改めて示された形です。
今回の訪問は、2025年から2027年を対象とするFOCAC北京行動計画の実施開始と重なっており、中国・アフリカ関係を「新しい時代」の枠組みの中でどのように具体化していくのかを示す重要な機会となりました。
ポイント1:35年続く「最初の外遊はアフリカ」というメッセージ
ひとつ目のポイントは、中国の外相が毎年最初の外遊先にアフリカを選び続けてきたという伝統そのものが持つ意味です。今回もその慣行が守られたことで、中国がアフリカとの関係を外交の重要な柱として位置づけていることが改めて強調されました。
この伝統が示すのは単なる儀礼ではなく、次のようなメッセージだと受け止めることができます。
- 中国外交においてアフリカが周辺ではなく、長期的なパートナーとして重視されているという姿勢
- 年初にアフリカを訪れることで、その年の対アフリカ協力の優先度をはっきり示す意図
- 途切れないハイレベル交流を通じて、信頼関係を少しずつ積み重ねていくという意思
こうした積み重ねを通じて、中国とアフリカの関係は、あらゆる状況や変化にも耐えうる「全天候型」のパートナーシップとして位置づけられています。
ポイント2:FOCAC北京行動計画2025-2027の実行ロードマップ
二つ目のポイントは、今回の訪問が、2024年のFOCAC首脳会合で発表された10のパートナーシップ行動計画をどう実行に移していくのか、そのロードマップを描く役割を担っているという点です。
FOCAC北京行動計画2025-2027は、中国とアフリカが今後数年間で取り組む協力の方向性を示す包括的な計画であり、10の行動計画はその中核となる柱です。王毅外相のアフリカ歴訪では、とりわけ次のようなテーマが重視されたとみられます。
- それぞれの国の課題やニーズを踏まえた具体的な協力プロジェクトの検討
- 行動計画を実行するためのタイムラインや優先順位の整理
- パートナーシップを支える制度面や人材交流のあり方についての対話
10のパートナーシップ行動計画は、紙の上の合意だけでは意味がありません。今回のような歴訪を通じて、現地での対話と具体化のプロセスを進めていくことで、初めて実際の協力につながっていきます。今回のツアーは、そのスタート地点に位置づけられます。
ポイント3:不確実な世界で「平和と安定」をどう守るか
三つ目のポイントとして、専門家は、世界的な不確実性が高まる中で「平和と安定」をどう確保するかが、中国とアフリカの対話の重要なテーマになっていると指摘しています。
近年、国際社会では、安全保障上の緊張や経済の先行き不透明感など、さまざまなリスクが同時進行しています。その中で、中国とアフリカの議論で重視されているのは、次のような視点だと整理できます。
- 地域の安定なくして、長期的な経済・社会発展は成り立たないという認識
- 対話と協力を通じて、緊張や対立を和らげるための仕組みを育てていくこと
- 開発と安全を切り離さず、一体的に考えるアプローチ
今回の歴訪では、こうした視点に立った中国とアフリカ双方の関心が、改めて確認されたと言えます。平和と安定を優先する姿勢は、「新時代の全天候型の運命共同体」という関係の根幹を支える要素でもあります。
中国・アフリカ関係の「新時代」をどう読むか
王毅外相のアフリカ歴訪は、象徴的な伝統と、具体的な行動計画の実行という二つの側面を併せ持っていました。外交儀礼としての意味を持ちながらも、その内側では、FOCAC北京行動計画2025-2027をどのように現実の協力として形にしていくか、という実務的な議論が進んでいます。
中国とアフリカは、今後数年間を通じて、経済や社会の発展だけでなく、平和と安定の確保という共通課題にどう向き合っていくのかが問われます。今回の歴訪は、その方向性を示す「序章」として位置づけることができるでしょう。
国際ニュースを日本語で追う読者にとっても、この動きは、中国・アフリカ関係だけでなく、グローバルな国際秩序の変化を考えるうえで重要な手がかりとなります。今後、FOCAC北京行動計画2025-2027のもとでどのような具体的な協力が進むのか、引き続き注目していく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








