習近平氏「高品質な監査監督」で中国経済の高品質成長を後押し
中国の習近平国家主席が、経済と社会の「高品質な発展」を支えるため、監査による高品質な監督体制の構築を改めて呼びかけました。監査を通じてリスクや汚職を早期にとらえ、経済の健全性と安全を守ることを重視する姿勢が鮮明になっています。
習近平氏「監査は党と国家の監督システムの重要な一部」
習近平氏は、中国共産党中央委員会総書記であり、中央軍事委員会主席も務めています。今回、監査業務に関する重要指示の中で、監査は党と国家の監督システムを構成する重要な一部だと位置づけ、「高品質な監査監督」によって中国の高品質な経済・社会発展を守る必要があると強調しました。
習氏によると、ここ数年、監査当局は次のような役割を果たしてきたと評価されています。
- 経済の健全な発展を促進すること
- 国家の経済安全を守ること
- リスクや潜在的な危険を明らかにすること
- 汚職との闘いを前に進めること
監査を通じて「見えにくいリスク」を発見し、経済運営の安定や汚職防止につなげるという発想が前面に出ています。
監査当局に求められる4つの方向性
習近平氏は、中国共産党中央委員会による監査業務への「集中・統一の指導」の重要性を強調したうえで、監査当局に対し、次のような方向性を示しました。
- 本来の責任と中核業務への集中:監査当局は、資金の流れや政策の実施状況を点検するという本来の役割にしっかりと軸足を置くこと。
- 改革とイノベーションの深化:デジタル技術の活用なども含め、監査の方法や仕組みを絶えず見直し、改善していくこと。
- 自己改善の強化:監査を担う組織や人材自身の能力と規律を高め、信頼性の高い監査を実現すること。
- 集中・統一された監査監督システムの構築:全国レベルで一体的に動く、包括的で権威があり、かつ効率的な監査監督体制を作り上げること。
バラバラに行われがちなチェックをまとめ、全体を見渡せる監査体制を作ることで、経済や行政の運営をより安定的にしたいという狙いが読み取れます。
北京の全国監査工作会議で共有された「重要指示」
習近平氏の重要指示は、国務委員で国務院秘書長の呉政隆氏によって、北京で開かれた全国監査工作会議で伝達されました。この会議は金曜日から土曜日にかけて行われ、各地の監査当局が一堂に会する場となりました。
会議では、優れた実績をあげた監査機関80団体と45人の個人が表彰されました。監査の成果を具体的に評価することで、現場の意欲を高め、優良な取り組みを全国に広げていく狙いがあるとみられます。
「高品質な発展」と監査の関係
中国が掲げる「高品質な発展」とは、単に成長率の高さだけでなく、質の高い成長やリスク管理、環境・社会面のバランスを重視する方向性を指します。今回の「高品質な監査監督」の強調は、この流れと一体の動きといえます。
監査強化には、少なくとも次のような狙いがあると考えられます。
- 経済運営の健全性を高める:公共投資や財政支出が、どの程度効果的に使われているかを検証することで、無駄や重複を減らしやすくなります。
- リスクの早期発見:地方政府や金融関連の債務、特定分野への過剰投資など、将来的な不安要因を早めに把握することにつながります。
- 汚職防止と信頼の向上:公的資金の流れを丁寧に点検することで、不正行為の抑止力が高まり、行政や企業への信頼回復にもつながります。
日本と国際社会にとってのポイント
日本を含む国際社会にとっても、中国の監査・監督体制の動きは無関係ではありません。監査が強化されることで、次のような変化が生まれる可能性があります。
- ビジネス環境の予見可能性:政策や予算の実行状況が監査を通じてより厳格にチェックされれば、事業計画やプロジェクトの進め方にも一定の予測しやすさが生まれます。
- インフラ・地方投資の選別:地方レベルの投資案件が監査対象として重視されることで、質の高いプロジェクトを選び取る動きが強まる可能性があります。
- ガバナンスへの注目度の高まり:汚職防止やコンプライアンス(法令順守)への取り組みが進むことで、国有企業や公的機関との取引ルールが一層明確になることも期待されます。
今後、具体的な制度設計や地方レベルでの運用がどのように進むのかは、中国経済の持続的な発展を見通すうえで重要な観察ポイントになりそうです。監査という一見地味な分野の動きが、アジアや世界経済の安定にも静かに影響していく可能性があります。
Reference(s):
President Xi Jinping calls for high-quality audit-based oversight
cgtn.com








