渡り鳥のハーモニー・キーパー 中国・Tiaozini湿地の写真家Li Dongming video poster
中国・江蘇省の湿地から届く静かな国際ニュース
中国東部の江蘇省にあるTiaozini湿地で、渡り鳥と向き合い続ける一人の写真家がいます。野生動物写真家でありバードウォッチャーでもあるLi Dongming(リー・ドンミン)さんは、10年以上にわたってこの場所で渡り鳥の保護に取り組んできました。
年間300日以上を湿地で過ごし、ときに1日10時間にもおよぶ観察と撮影。潮が引いた干潟でシャッターを切り続けるその姿から、人と自然が調和して生きるHarmony Keepers(ハーモニー・キーパー)という言葉が浮かび上がります。
渡り鳥と過ごす「年間300日」の日常
Liさんの一年のほとんどは、Tiaozini湿地での観察と撮影に費やされています。朝から夕方まで潮の満ち引きを読みながら干潟に立ち、双眼鏡とカメラを手に、渡り鳥の一挙手一投足を見つめます。
ときに強い風にさらされ、ときにぬかるんだ泥に足を取られながらも、1日およそ10時間のフィールドワークを300日以上続けることは、体力的にも簡単なことではありません。それでも彼はカメラを構え続けます。それは美しい写真を撮るためだけでなく、鳥たちの暮らしを記録し、守るためです。
- 活動歴:10年以上
- 年間の観察日数:300日を超える
- 1日の観察・撮影時間:最大約10時間
スプーンビルド・サンドパイパーを追って
Liさんがとくに注目している渡り鳥の一つが、英語名でspoon-billed sandpiperと呼ばれるシギの仲間です。彼はその個体を追い、Tiaozini湿地に飛来するたびに、行動や姿を丁寧に記録してきました。
潮が引いた干潟で餌をついばむ姿、仲間とともに飛び立つ瞬間、そして再び戻ってくる季節のリズム。Liさんのレンズは、その一つひとつを静かに見届けます。彼にとって撮影は、鳥たちの旅路を見守ることでもあります。
写真家から守り人へ
野生動物の写真というと、美しい一枚を撮ることが目的だと思われがちです。しかしLiさんにとって、写真はゴールではなくスタートです。そこには、渡り鳥と湿地の大切さを伝え、保護につなげたいという思いがあります。
一枚の写真には、鳥がどの季節にどの場所に現れたのか、どのような環境で暮らしているのかといった情報が詰まっています。Liさんは、そうした記録を積み重ねることで、渡り鳥の旅を見える形にし、守るための手がかりにしようとしているのです。
機材を担げる限り、続けたい
長時間の撮影と観察は、年齢を重ねるほど負担も大きくなります。それでもLiさんは、機材を担いで歩ける限り、この仕事を続けたいと話しているといいます。
その言葉には、渡り鳥と湿地への深い愛情と、静かな決意がにじみます。派手なスポットライトが当たるわけではないけれど、こうしたハーモニー・キーパーの存在が、国境を越えて渡り鳥を支えています。
私たちが受け取るべきメッセージ
日本から見ると、中国東部の一つの湿地での出来事は、遠い世界の話に感じられるかもしれません。しかし、渡り鳥は国境を越えて移動する生き物です。Tiaozini湿地で守られた命が、日本各地の海岸や湿地にも飛来しているかもしれません。
Liさんのような人々の静かな努力は、私たちの日常ともつながっています。ニュースとして知るだけでなく、自分にできる一歩は何かを考えてみるきっかけにもなりそうです。
- 渡り鳥や湿地について知る
- 身近な自然観察の場に足を運ぶ
- 自然環境を大切にするライフスタイルを意識する
Tiaozini湿地でシャッターを切り続けるLi Dongmingさんの姿は、人と自然が共に生きる未来を、静かに私たちに問いかけています。
Reference(s):
Harmony Keepers: Wildlife photographer and birdwatcher Li Dongming
cgtn.com








