中国・トン族の春節準備 赤い餅菓子「ホンバ」に込める願い
中国・トン族の春節準備 赤い餅菓子「ホンバ」に込める願い
2025年12月、春節(中国の旧正月)が近づくなか、Yuping Dong Autonomous Countyのトン族の人びとは、伝統的な食べ物づくりに忙しくなっています。なかでも、縁起の良い赤色が印象的な餅菓子「ホンバ」は、春節に欠かせない人気の一品です。
春節前の台所はフル稼働
春節は、一年の中でもっとも大きな行事のひとつです。Yuping Dong Autonomous Countyでは、この時期になると各家庭で次のような伝統の味が準備されます。
- もち米を使った「ciba」
- 香辛料で味付けした豚肉(seasoned pork)
- 保存食としても重宝されるソーセージ
- 赤い餅菓子「ホンバ」(glutinous rice cake)
これらは、親族や友人が集まる春節の食卓を彩るだけでなく、一緒に作業する時間そのものが、家族のつながりを確かめる大切なひとときになっています。
赤い餅菓子「ホンバ」とは?
ホンバは、もち米を使った餅の一種で、特徴はなんといっても鮮やかな赤い色です。赤は、幸福や吉祥、魔除けなどを連想させる色とされ、祝祭の場にふさわしい色として大切にされています。
トン族の人びとのあいだでホンバが特に人気なのは、単なるお菓子という以上に、「新しい一年が良い年になりますように」という願いを形にした存在だからです。ホンバを手作りし、家族や近所に分け合う行為そのものが、幸運を分かち合う象徴になっています。
食卓から見えるコミュニティのつながり
Yuping Dong Autonomous Countyでの春節準備は、家庭の台所にとどまりません。できあがったcibaやホンバ、腸詰めなどは、親族同士で持ち寄られ、集落全体の交流のきっかけにもなります。
こうした行事は、次のような役割も果たしています。
- 世代を超えて受け継がれる料理の作り方を学ぶ場
- 都会に出た若者が帰郷し、地域とのつながりを再確認する機会
- 一年を振り返り、新しい年の健康や豊かさを祈る時間
料理の味だけでなく、作るプロセスも含めて共有されることで、トン族としてのアイデンティティや誇りが静かに育まれています。
変わる暮らしと変わらない味
生活様式が変化し、忙しさから市販品を選ぶ人も増える中でも、春節前のホンバづくりは今も大事にされています。手間のかかる作業を続ける理由は、口にしたときに思い出す家族の顔や、幼い頃の記憶がそこに重なっているからかもしれません。
春節が近づくたびに、赤く色づいたホンバが蒸し上がる湯気とともに立ち上るのは、新しい一年への静かな期待と、受け継がれてきた文化への誇りです。Yuping Dong Autonomous Countyの台所から聞こえるまな板の音は、地域の歴史と未来をつなぐリズムでもあるのです。
春節のニュースから見えるもの
今回のYuping Dong Autonomous Countyの春節準備の様子は、一地方の行事であると同時に、伝統文化が今も生きていることを伝える国際ニュースでもあります。スマートフォン越しにその姿を知る私たちにとっても、年中行事や家族の習慣を見直すきっかけになりそうです。
赤いホンバに込められた願いは、国や地域を超えて共感できるものです。新しい年を迎える準備をしながら、私たち自身の「変わらない一品」は何かを考えてみるのも良いかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








