中国とベトナム、「新質生産力」で連携強化へ 習近平氏が電話会談
中国とベトナム、協力強化を確認した電話会談
中国の習近平国家主席(中国共産党中央委員会総書記)は水曜日、ベトナム共産党中央委員会総書記のトー・ラム氏と電話会談を行い、「新質生産力」を軸にした協力強化や、国境をまたぐ産業・サプライチェーンの安定化を呼びかけました。両国は政党間の絆から人と人との交流、国際協調まで、幅広い分野で関係を深めていく姿勢を示しています。
「新質生産力」のフロンティアを共に構築
電話会談で習氏は、中国とベトナムがインフラや産業を結び付ける「コネクティビティ」を一層強化し、「新質生産力協力のフロンティア・プラットフォーム」を共に築くべきだと提案しました。
「新質生産力」とは、イノベーションや高度な技術、人材を基盤とする新しいタイプの生産力を指す概念です。習氏の発言からは、両国が今後、ハイテク産業や高度製造業、デジタル分野などで協力の幅を広げていく方向性がうかがえます。
あわせて、習氏は国境を越える産業・サプライチェーンを「安定的で円滑なものにする」必要性を強調しました。生産や物流の結び付きが強い両国が連携を深めることで、地域全体の供給網にとっても安定要因となる可能性があります。
昨年8月の訪中から「この半年で前向きな進展」
習氏は会談のなかで、昨年8月にラム氏が中国を公式訪問した際のやり取りに言及しました。当時、両氏は両党・両国関係のさらなる発展について踏み込んだ意見交換を行い、幅広い共通認識に達したといいます。
習氏は、その後のおよそ半年間で「前向きな進展があった」と振り返り、これまでの合意を実務協力や具体的成果につなげていく重要性を改めて強調しました。
2025年は「継承と新たな出発点」の年
習氏は、2025年が中国にとって第14次五カ年計画(2021〜2025年)の最終年であると同時に、ベトナムにとってもベトナム共産党第14回大会の準備が本格化する重要な年であると指摘しました。この年を、両国にとって「継承と新たな出発点」の両方の意味を持つものだと位置づけています。
両国は今後、
- 両党を若返らせ、組織を一層強化すること
- 社会主義の理論と実践経験について交流を深めること
- 「100年に一度の大きな変化」が進む中で、社会主義の事業を推進すること
などに取り組むべきだと、習氏は呼びかけました。
高位級交流と実務協力の拡大
習氏は、首脳や党指導部による高位級(ハイレベル)交流が持つ「政治的な指導力」を十分に発揮し、今後も緊密な対話を維持する必要性を強調しました。
そのうえで、中国とベトナムが相互利益にもとづく協力を一段と進め、より多くの具体的な成果を上げるよう求めました。経済、貿易、投資など、多様な分野での協力プロジェクトが想定されます。
「温かく、地に足の着いた」人と人の交流
今回の電話会談では、政府レベルの協力だけでなく、人と人とのつながりを深める交流も重視されました。習氏は、両国が「温かく、地に足の着いた」人的・文化交流を進め、国民同士の心をつなぐべきだと述べました。
具体的には、
- メディア間の交流と情報発信の連携
- 文化・観光分野での協力事業
- 若者同士の交流や地方(サブナショナル)レベルでの交流
などが挙げられており、人々の共感を得られるプロジェクトを増やすことで、両国関係の土台をさらに固める狙いがあります。
国際・地域協調と「人類運命共同体」
習氏はまた、中国とベトナムが国際社会および地域の場で協調を強め、「国際的な公平と正義」を共に守るべきだと呼びかけました。
その一環として、両国が「人類運命共同体」の構築に向けて協力することを提案しました。アジアの社会主義国同士が国際舞台で連携を深めることで、多国間の枠組みや地域秩序のあり方にも影響を与えていくとみられます。
ベトナム側の連帯と期待のメッセージ
トー・ラム氏はまず、中国のシーザン地域で発生した地震によって生じた重大な人的・物的被害に対し、深い哀悼とお見舞いの意を表明しました。そのうえで、中国共産党中央委員会で習氏を核心とする指導部の下、中国が被害から早期に立ち直ると信じていると述べました。
ラム氏はさらに、中国共産党と中国の人々がこれまでに達成してきた大きな発展の成果を「心から称賛する」とし、中国が経済の規模や「新質生産力」の発展といった強みを生かして、今後も一層大きな成果を上げていくと確信を示しました。
習氏はベトナム側について、ベトナム共産党第13回大会以来、党中央がベトナムの人々を団結させ、社会主義建設と刷新の事業で新たな成果を上げてきたと評価しました。そのうえで、トー・ラム氏をトップとする党中央の指導の下、ベトナムの党と国家、国民が第14回党大会の成功に力を注ぎ、ベトナムの「二つの百年」目標に向けて着実に前進すると信じていると述べました。
アジアの連携をどう見るか
今回の電話会談は、「新質生産力」、サプライチェーン、人と人の交流、国際協調といった複数のテーマが一度に語られた点が特徴的です。中国とベトナムがどのように連携を深めるのかは、アジアの経済や地域秩序を考えるうえで無視できない動きといえます。
日本にとっても、近隣の国・地域同士の協力は間接的な影響を持ち得ます。生産や市場が重なり合う中で、どのような形の協力や競争が望ましいのか。中国とベトナムの最新の動きは、アジアにおける連携のあり方を考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Xi urges China, Vietnam to boost ties in new quality productive forces
cgtn.com








