中国・西蔵自治区丁日県地震 仮設住宅と貯水池対策の対応状況
中国南西部の西蔵(チベット)自治区・丁日県で1月7日に発生したマグニチュード6.8の地震を受け、被災者向けの仮設住宅や貯水池の安全対策、寄付金による生活支援が進められています。自治区当局が木曜日に開いた記者会見で、具体的な対応状況を明らかにしました。
仮設住宅5,000棟超、寒さから生活を守る
自治区当局によると、被災した人々のために合計5,152棟の仮設住宅がすでに設置されました。応急用の板張り住宅は合計1万3,000棟を確保しており、このうち6,135棟が被災地に搬入され、5,152棟が組み立て済みだとしています。残る住宅も順次、現地に向かっていると説明しました。
自治区応急管理部の副部長Wei Jun氏は、現在の再定住段階では、被災者を寒さから守ることが最優先事項だと強調しました。
標高4,000メートル超、人口6万人の県で起きた地震
地震は1月7日、世界最高峰エベレスト(現地名・チョモランマ)の北麓の拠点がある丁日県を震源として発生し、マグニチュードは6.8を記録しました。この地震により、少なくとも126人が命を落としました。
丁日県の人口は6万人を超え、西蔵自治区内でも人口の多い国境県の一つとされています。震源から半径20キロ以内には27の村があり、およそ6,900人が暮らしていました。
震源地周辺は標高4,000メートルを超える高地で、一年のうちでも最も厳しい寒さの時期に地震が発生しました。当局によれば、被災者には電気ストーブや電気毛布、綿入れの防寒着などの物資がタイミングよく届けられているといいます。
貯水池14カ所を点検、3カ所は水を抜く措置
水利部門は、地震の影響を受けた地域にある14カ所の貯水池を点検し、このうち5カ所でひび割れなど局所的な異常を確認しました。危険性が高いと判断された3カ所の貯水池では、あらかじめ水を抜く措置がとられています。
特に丁日県長所郷にあるラオン貯水池では、堤体の決壊リスクを下げるため、放流量を増やして水位を下げる対応が続けられています。
当局は、万が一の事態から住民の生命と財産を守るため、貯水池の下流に位置する6つの村の住民およそ1,500人を、高台に設けた9カ所の緊急避難所へと事前に避難させました。川岸から離れた場所に移動させることで、洪水リスクの低減を図っています。
寄付と財政支援、生活再建に向けた動き
一方、被災地で活動する救助チームは、瓦礫の中からおよそ696万元(約96万8,000ドル)相当の現金を回収しました。
自治区民政部門の暫定集計によれば、水曜日午後の時点で、社会各界からの寄付は総額約16億4,000万元に達しました。このうち資金が約15億3,000万元、物資が約1億600万元です。
民政部門は、これらの資金と物資を、被災コミュニティの移転・再定住や、食料・衣料など基本的な生活必需品の確保に優先的に充てる方針を示しています。また、中央政府の財政支援として、丁日県にはすでに663万元以上が配分されています。
高地の災害対応から見える3つのポイント
今回の発表内容からは、高地ならではの厳しい条件の中で、どのように住民の安全と生活を守ろうとしているのかが見えてきます。ポイントを三つに整理してみます。
- 1. 寒さ対策が最優先の命綱
標高4,000メートルを超える地域では、地震の揺れだけでなく、その後の厳しい寒さが命に直結します。仮設住宅の早期整備と、電気ストーブや電気毛布などの防寒物資の投入は、被災者の健康と尊厳を守るための基盤といえます。 - 2. ダム・貯水池の安全確認という見えないリスクへの備え
地震の後、堤体のひび割れなどはすぐには目に見えにくいリスクです。14カ所の貯水池を点検し、必要に応じて水を抜いたり放流量を調整したりする対応は、二次災害を防ぐための重要な取り組みです。 - 3. 社会全体の寄付が長期的な生活再建を支える
16億元を超える寄付や中央政府の財政支援は、仮設住宅の整備だけでなく、移転・再定住や生活必需品の確保など、長期にわたる生活再建の土台になります。日本を含む地震多発国にとっても、災害時にどのように資金と物資を配分していくかを考えるヒントとなります。
遠く中国西蔵自治区で起きたこの地震のニュースは、国際ニュースとして状況を知るだけでなく、私たち自身の地域での防災や支援のあり方を見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Officials: Tibetans hit by quake kept warm, reservoir risks stemmed
cgtn.com








