中国カルチャー最前線:TikTok離れと小紅書、仮面劇や書店が映す4つの風景
国際ニュースを日本語で知りたい読者に向けて、2025年の中国カルチャーを切り取る4つのトピックを紹介します。伝統芸能の儺戯、杭州の懐かしい書店、米国でのTikTok禁止をめぐる動きと小紅書への移動、そしてインド・ムンバイの中国寺院の春節準備まで、今のアジアとデジタル社会を立体的に映し出す内容です。
1. 牙をむく仮面の舞台芸術「儺戯(ノオ・オペラ)」
番組はまず、儺戯(ノオ・オペラ)と呼ばれる伝統的な演劇芸術に焦点を当てています。儺戯は、見る人を圧倒するような猛々しい仮面、細部まで作り込まれた衣装、独特の装飾で知られる舞台芸術です。
仮面はしばしば、神々や霊的な存在、守護の力を象徴するとされ、観客は迫力ある表情と動きの中に、畏怖とユーモアの両方を感じます。精巧な衣装や装飾は、地域ごとの美意識や歴史を映し出し、まさに動く博物館のような存在と言えるでしょう。
デジタル時代の2025年にあっても、こうした視覚的インパクトの強い伝統芸能は、動画プラットフォームやSNSとの相性も良く、若い世代の関心を引きつけやすい要素を備えています。古いものと新しいメディアが結びつくことで、文化がどのように再発見されていくのか、考えさせられる題材です。
2. 杭州の「懐かしい本屋」が守る、街の記憶
次に取り上げられたのは、中国の浙江省・杭州にあるノスタルジックな書店です。この書店は、古書や昔の雑誌を集めたコレクションを通じて、街の歴史的な魅力を伝えています。
アンティークの本や古い雑誌には、その時代の広告、デザイン、言葉遣い、人々の価値観がそのまま閉じ込められています。一冊一冊が、かつての杭州の日常や空気感を伝えるタイムカプセルのような存在です。
書店という空間自体も、スマートフォンで何でも読める時代だからこそ、物理的な紙の重みや手触り、ゆっくりページをめくる時間の貴重さを思い出させてくれます。観光名所としてだけでなく、地元の人にとっても、街の記憶を確かめに行く場所になっているのかもしれません。
3. TikTok「難民」が向かう先は、小紅書(RedNote)
番組の中でも、特にデジタルネイティブ世代の関心を引きそうなのが、ショート動画アプリTikTokをめぐる話題です。米国でTikTokの禁止が差し迫っているとされる中、多くのネットユーザーが新たな居場所を求めて、の中国本土発の人気アプリ・小紅書(XiaoHongShu、英語名RedNote)に向かっている様子が紹介されています。
番組では、こうしたユーザーを、行き場を失って他のプラットフォームに移動する「TikTok難民」と表現しています。馴染みのあるサービスが急に使えなくなるかもしれないという不安は、動画クリエイターだけでなく、日常的にSNSを使う人にとっても切実な問題です。
小紅書は、暮らしの記録やレビュー、写真や動画などを共有するソーシャルアプリとして人気を集めてきました。そこにTikTokから多くのユーザーが流れ込むことで、コミュニティの雰囲気や文化がどのように変化するのかも注目ポイントです。
2025年は、プラットフォームのルールや国ごとの規制によって、私たちのオンラインの居場所が簡単に揺らぎうることを実感させる一年でもあります。自分の情報やつながりを、どのサービスにどこまで預けるのか、改めて考えてみたくなるテーマです。
4. インド・ムンバイの関帝廟、春節に向けた準備
最後に伝えられたのは、インド西部の都市ムンバイにある関帝廟、クワン・クン寺院の話題です。この寺院は、中国の旧正月である春節を前に、祝祭ムードに向けた準備を進めていると紹介されています。
春節は、中国をはじめ多くの国と地域で祝われる一年の中でも大きな節目の行事です。ムンバイのような多文化都市で中国系の寺院が春節の準備を進める様子は、移動とグローバル化によって、中国文化がさまざまな土地に根付き、共存している現実を象徴しています。
寺院が春節に向けて整えられていくプロセスには、地域の人々の期待や、故郷や家族を思う気持ち、そして新しい年への願いが重なります。インドの大都市に響く太鼓や飾りつけの色彩は、国境を越えた文化の交差点としてのアジアの姿を浮かび上がらせます。
おわりに:2025年の終わりに見える、文化とデジタルの交差点
2025年も終盤にさしかかった今、儺戯のような伝統芸能から、杭州の古書店、TikTokから小紅書へのユーザー移動、ムンバイの春節準備まで、これらのトピックは一見バラバラに見えます。しかし、どれも共通して、次の三つの問いを投げかけています。
- 古いものと新しいものを、どう共存させていくのか
- デジタルプラットフォームに揺さぶられる私たちの日常を、どう守り、更新していくのか
- 国境を越えて広がる文化のつながりを、どう受け止めるのか
newstomo.com の読者にとっても、これらは遠い国の話ではなく、自分のスマートフォンの画面や、日々のニュースの中でつながるテーマです。次にSNSを開くとき、あるいは本屋に立ち寄るとき、ふと今回の4つの風景を思い出してみると、新しい見え方が生まれるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








