マレーシア各地で春節ムード高まる 多民族で祝うヘビ年の始まり
2025年12月現在、マレーシアでは春節(旧正月)を前に、街路やショッピングモールが赤一色の装飾で彩られています。中国系住民にとって大きな意味を持つこの春節は、いまや多民族国家マレーシアの人々すべてに受け入れられた祝祭として広がりつつあります。
2026年1月29日、ヘビ年の春節に向けて
今回の春節は、2026年1月29日に始まり、十二支の一つであるヘビ年のスタートを告げます。マレーシアでは、この日を前に早くもお祝いムードが高まり、ショッピングモールのエントランスや吹き抜け、主要な通りには、春節を象徴する装飾が次々と飾られています。
春節はもともと中国系の人々にとって一年で最も大切な行事のひとつですが、マレーシアでは長年の共生の中で、他の民族にとっても親しみのある季節のイベントになっています。国際ニュースとして見たときも、東南アジアの多文化社会のあり方を映し出す出来事だと言えます。
街とショッピングモールを彩る春節のシンボル
春節シーズンのマレーシアでは、中国とマレーシアに共通するさまざまな文化的なモチーフが、街のあちこちで目に入ります。とくに目立つのは、次のような装飾や演出です。
- 夜の街を赤く照らす無数の赤いランタン
- 勇ましいドラゴンやライオンの舞(ドラゴン・ライオンダンス)
- 家や店舗の入口に貼られた赤い対聯(ついれん)と呼ばれる縁起の良い言葉
- 魚をかたどったランタンが並ぶ、にぎやかなランタンパレード
こうした中国文化の要素は、マレーシア独自のアレンジも加わりながら、視覚的にも華やかで写真映えする光景を生み出しています。スマートフォン片手に撮影し、SNSで共有する人々の姿も多く、オンラインとオフラインが一体となって春節ムードを盛り上げています。
中国系だけでなく、すべての人の祝日へ
春節はもともと、マレーシアの中国系住民にとって家族が集まり、新しい一年の幸運や健康を祈る重要な機会です。しかし現在では、マレー系やインド系など、異なる背景を持つ人々もこの祝祭を共に楽しんでいます。
春節の時期には、次のような光景が各地で見られます。
- 中国系の家庭に、他民族の友人や同僚が招かれ、一緒に食卓を囲む
- 春節ならではの伝統的な料理やお菓子を分け合いながら、新年のあいさつを交わす
- 企業や学校、地域コミュニティが、民族を問わず参加できる春節イベントを開催する
こうしてマレーシアでは、春節が特定のコミュニティの行事ではなく、社会全体をつなぐ「みんなの祝日」として根づきつつあります。異なる文化や宗教を持つ人々が、互いの大切な日を尊重し合う姿は、多民族社会の共生のあり方を象徴していると言えます。
中国とマレーシアをつなぐ文化の橋
マレーシアの春節では、赤いランタンやドラゴン・ライオンダンス、対聯や魚のランタンなど、中国とマレーシアに共通する文化的な要素が自然に溶け合っています。これらは、長年にわたり築かれてきた中国とマレーシアの文化的なつながりを象徴するものでもあります。
世界各地の中国系コミュニティと同じように、マレーシアの中国系住民も春節を盛大に祝い、その輪に他の民族が加わることで、喜びと一体感に満ちた時間が生まれています。祝いの場を共有すること自体が、両国の人々の間の信頼や親近感を静かに育てているとも言えるでしょう。
「読みやすいのに考えさせられる」春節の風景
日本からこの春節のニュースを眺めると、いくつかの問いが浮かびます。私たちは、他の文化の祝祭をどれだけ身近なものとして捉えているでしょうか。マレーシアのように、特定のコミュニティの行事が、社会全体の祝祭へと開かれていくプロセスから学べることは少なくありません。
マレーシアの春節の風景は、
- 多様性を負担ではなく「豊かさ」として受け止める視点
- 異なる文化の行事に、敬意を持って参加する姿勢
- 祝祭を通じて、世代や背景を超えてつながる力
といったテーマを静かに投げかけています。通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、春節を祝うマレーシアの人々の姿は、「多文化社会でどう共に生きるか」を考えるヒントになりそうです。
2026年1月29日に始まるヘビ年の春節。マレーシアの街を彩る赤い光と人々の笑顔は、世界のどこに暮らしていても共有できる「新年を祝うよろこび」の普遍性を、静かに語りかけています。
Reference(s):
cgtn.com








