中国とASEANの市長が南寧に集結 都市の開放と協力へ「南寧イニシアチブ」
中国とASEAN(東南アジア諸国連合)の市長や代表、専門家が、中国南部の広西チワン族自治区の区都・南寧に集まり、都市の開放と協力をテーマに意見を交わしました。中国とASEANの関係強化が進むなか、都市レベルでの連携をどう深めるかが議論の中心となりました。
南寧で開かれた「グローバル市長対話」
今回の対話イベントは「中国ASEAN友好共同体の構築:都市の開放と協力」をテーマにした「グローバル市長対話・南寧」です。カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナムなど、ASEAN各国から参加者が集まりました。
木曜日に開かれた会合では、都市の開放と経済協力、文化交流と融合、都市ガバナンス(都市をどう運営・管理するか)の経験といったテーマについて、幅広い議論と意見交換が行われました。
中国ASEAN経済は「1兆ドル規模」に接近
南寧市の党委員会書記・農生文氏は、対話の中で中国とASEANの経済・貿易協力の現状について言及しました。両者の貿易額は、2019年の6,000億ドル超から2024年には1兆ドル近くまで増加したと述べ、関係の緊密さを強調しました。
農氏はまた、中国とASEANの間で産業チェーン(生産のつながり)、サプライチェーン(供給のつながり)、バリューチェーン(付加価値のつながり)の深い統合が進んでいると指摘しました。これは、単なる貿易額の拡大にとどまらず、企業同士や都市同士の結び付きが実務レベルで強まっていることを意味します。
「友情こそが平和と安全の土台」ラオス・ビエンチャンからのメッセージ
ラオスの首都ビエンチャンの知事であるアッサパントン・シーパンドン氏は、都市間協力の意義について次のように語りました。
友情は、平和と安全において最も価値ある要素であり、都市同士が開放性と協力を高めることで、安定、繁栄、持続可能な発展を共に実現していくことができるという考え方です。
このメッセージは、国同士の対立や競争がクローズアップされがちな国際情勢の中で、あえて「都市」と「友情」に焦点を当てることの重要性を示していると言えます。
「南寧イニシアチブ」で何を目指すのか
会合の成果として発表されたのが「南寧イニシアチブ」です。このイニシアチブは、中国とASEAN諸国の間で、都市レベルの協力や交流をさらに深めていくことを目的にしています。
詳細な内容は今後具体化されていくとみられますが、少なくとも次のような方向性が意識されています。
- 都市同士の経済・投資環境の開放を進めること
- 文化交流や人的往来を通じて相互理解を深めること
- 環境対策やインフラ整備など、都市運営の知見を共有し合うこと
こうした取り組みは、中国とASEANを結ぶ物流やビジネスの拠点としての都市の役割を高めると同時に、市民レベルでのつながりを強めることにもつながります。
なぜ「都市の開放と協力」が注目されるのか
今回の対話のテーマに「都市の開放」が掲げられた背景には、国際関係において都市が担う役割の重みが増していることがあります。企業の投資先や人材の流れ、スタートアップの集積など、多くの動きは国よりもむしろ都市単位で進んでいます。
その意味で、南寧のような地域の中心都市が、ASEANの都市と連携しながら「開かれたハブ」として機能することは、中国とASEAN全体の関係を下支えする基盤になると考えられます。
日本の読者への示唆:アジアの都市間連携をどう見るか
日本に住む私たちにとっても、中国とASEANの都市間協力の動きは無関係ではありません。サプライチェーンの再構築やデジタル経済、観光交流など、多くの分野でアジアの都市間ネットワークが重要になりつつあるためです。
今回の南寧での対話からは、次のような問いかけが浮かび上がります。
- 日本の都市は、中国やASEANの都市とどのような形で協力できるか
- 経済だけでなく、文化や環境、都市運営の知見をどう共有していくか
- 都市同士の「友情」を、対立ではなく安定と繁栄につなげるために何ができるか
中国とASEANの都市が一歩先に進めようとしている連携の動きは、アジア全体の未来像を考えるうえで、一つの重要なヒントになっていきそうです。
Reference(s):
Mayors from China, ASEAN highlight urban openness, cooperation
cgtn.com








