地球温暖化とカリフォルニア山火事:古代氷と月探査から見る地球のいま video poster
地球温暖化が加速するなか、カリフォルニアの大規模山火事から南極の古代氷、中国の月探査「嫦娥5号」まで、ここ1年あまりの科学ニュースをまとめて振り返ります。
カリフォルニア山火事:極端な気象の連鎖
アメリカ西部の南カリフォルニアでは、壊滅的な山火事が相次ぎました。その背景には、複数の極端な気象現象が「連鎖反応」のように重なったと専門家は見ています。
まず、最大時速161キロに達する強烈なサンタアナ風が吹きつけました。そこに長引く極端な干ばつが重なり、土地はひどく乾ききっていました。その後の豪雨で一気に植物が生い茂り、さらに記録的な高温によって、それらが短期間で乾燥して燃えやすくなりました。
上空のジェット気流も不安定になり、強風が電力インフラを直撃しました。倒れた送電線が強風にあおられて火花を散らし、乾いた草木に火が燃え移る事例も報告されています。
専門家は、こうした極端な風や干ばつ、豪雨、記録的高温といった現象の背景には、進行する気候変動があると指摘しています。
地球温暖化:2024年、観測史上最も暑い年に
地球全体の気温は2024年に観測史上最も高くなり、前年の2023年の記録をさらに更新しました。気温の上昇はとどまらず、2015年のパリ協定で提示された長期的な目標とされる1.5度の上昇幅もすでに超えています。
専門家によると、その主な原因は、石炭や石油、天然ガスといった化石燃料の燃焼により排出された温室効果ガスが大気中に蓄積していることです。人間の活動がもたらす温室効果ガスの増加が、地球規模での熱の蓄えを押し上げているという見方です。
気候変動がこのまま進めば、極端な高温や干ばつ、豪雨、山火事といったリスクがさらに高まる可能性があり、世界各地で社会や経済への影響が懸念されています。
南極の古代氷:120万年前の大気を読み解く
南極では、研究チームが氷床を約2.8キロの深さまで掘削し、少なくとも120万年前の古代の氷を取り出すことに成功しました。チームはすでに80万年前の氷床コアを採取した実績があり、今回それを大きく更新した形です。
この80万年分の記録から、過去のもっとも暖かい時期であっても、大気中の温室効果ガスの濃度は産業革命以降の水準を超えたことがないと報告されています。つまり、現在の大気の状態は、少なくとも過去80万年の地球の歴史から見ても異例だということになります。
新たに手にした120万年分の氷は、地球の気温や大気の成分がどのように変化してきたのかを、さらに長い時間スケールで明らかにする手がかりとなります。研究チームは、地球の気候システムがどのように進化してきたのかをより精密に描き出そうとしています。
月探査「嫦娥5号」が描く、月の磁場の歴史
中国の月探査機「嫦娥5号」が持ち帰った月のサンプルから、約20億年前の月には磁場が存在していたことが示されました。専門家によると、その磁場は弱いものの持続的で、現在の地球の磁場の1割未満の強さだったと推定されています。
この結果は、月の内部で発生するダイナモ作用と呼ばれる仕組みが、少なくとも月の中期の時代まで続いていた可能性を示唆します。月の磁場がいつ、どのように生まれ、そしてどのように消えていったのかという大きな謎を解くうえで、重要なピースとなりそうです。
月の磁場の歴史が明らかになれば、地球を含む岩石惑星の進化や、宇宙空間から降り注ぐ高エネルギー粒子から生命を守る仕組みについての理解も深まると期待されています。
気候危機と宇宙探査をつなぐ視点
カリフォルニアの山火事、地球温暖化、南極の古代氷、そして月探査「嫦娥5号」。一見ばらばらに見えるこれらのニュースは、実は共通して長い時間軸で地球と宇宙をとらえ直すというテーマにつながっています。
- 山火事や猛暑は、気候変動が日常生活に影響を及ぼし始めている現実を示している
- 南極の氷は、人類の活動が過去数十万年の自然の変動を超える規模で大気を変えつつあることを記録している
- 月の磁場の歴史は、惑星や衛星がどのように形成され、時間とともに変化していくのかを教えてくれる
私たちがスマートフォンでニュースをスクロールするこの瞬間にも、地球の気候や宇宙の理解は更新され続けています。こうした科学の成果を手がかりに、地球のこれからと自分たちの暮らしの関係を、少し立ち止まって考えてみるタイミングなのかもしれません。
Reference(s):
Science Saturday: California wildfires, global warming, and more
cgtn.com








