春節を彩る中国・貴州の米菓「huatianba」、へびモチーフで伝統にひねり
中国・貴州省銅仁市思南県で、春節(中国の旧正月)シーズンを前に、伝統的な米菓「huatianba(フアティエンバ)」がひと味違う姿で作られています。甘くてもっちりしたこの菓子に「へび」をかたどったモチーフが加わり、新しい一年への願いと遊び心を込めた一品として、地元の食卓を彩っています。
春節前に登場した「へび」モチーフのhuatianba
思南県では、毎年春節にあわせてhuatianbaが作られますが、今年は職人たちが「へび」の要素を取り入れたデザインに挑戦しています。しなやかな曲線や模様でへびを表現したり、表面にさりげなくモチーフをあしらったりと、伝統的な見た目にささやかな変化を加えています。
こうした工夫には、単なる遊び心だけでなく、「新しい年がよい一年になりますように」という願いも込められています。春節のごちそうとして並ぶだけでなく、縁起を担ぐ一品としても大切にされていることがうかがえます。
huatianbaとは?素朴なのに映える米菓
huatianbaは、思南県を代表する伝統的な米菓です。日本の餅にも通じる、甘くて粘りのある食感が特徴で、家庭の味として長く親しまれてきました。
主な材料は、次の3つです。
- もち米
- うるち米(ジャポニカ米)
- 大根から抽出した植物由来の色素
大根由来の自然な色合いが、素朴ながらも目を引く見た目を生み出しています。人工的な着色料ではなく、野菜を使った染料で色づけする点が、この菓子ならではのこだわりです。
明代から続く「幸運の味」
思南県でのhuatianbaづくりの歴史は古く、明代までさかのぼるとされています。長い時間をかけて地域に根付き、いまでは「食べると縁起がよい菓子」として、春節などのお祝いの場に欠かせない存在になっています。
家族や親しい人とhuatianbaを分け合うことは、「幸運を分かち合う」ことでもあります。今回の「へび」モチーフは、その象徴性をさらに強める工夫ともいえます。
伝統とクリエイティビティが交わるローカルスイーツ
huatianbaに「へび」要素を取り入れる試みは、伝統を守りながらも、新しいアイデアで季節の行事を楽しもうとする動きの一例です。
ポイントは次のような点にあります。
- 長い歴史を持つ郷土菓子であること
- 春節という特別なタイミングに合わせてアレンジしていること
- 縁起や願いを、デザインという形で分かち合おうとしていること
アジア各地で、伝統的な食文化に現代的な要素を加える動きが広がるなか、思南県のhuatianbaも、その一つの姿を示しているようです。地元の素材を生かしながら、季節の行事や人びとの願いを表現するローカルスイーツは、これからも春節の風景を豊かにしていきそうです。
日本の読者への小さなヒント
日本でも、お正月には餅や和菓子を通じて「健康」「長寿」「豊作」などの願いを込める習慣があります。思南県のhuatianbaに見るように、形や色に意味を持たせる発想は、国や地域を超えて共通するところが多いと言えるでしょう。
中国・貴州の小さな町で生まれた、へびモチーフのhuatianba。その一片には、春節を迎える人びとの期待と、世代を超えて受け継がれてきた食文化がぎゅっと詰まっています。
Reference(s):
cgtn.com








