春節を彩る豚肉の煮込み 中国・貴州インジャンの伝統料理
まもなく迎える2026年の春節を前に、中国各地では少しずつお祝いムードが高まりつつあります。そんな中国の春節と食文化を伝える国際ニュースとして、今回は貴州省インジャン(印江)の家庭で愛される伝統料理「豚肉の煮込み」を紹介します。トゥチャ族の人びとにとって、この一皿は祭りに欠かせないごちそうであり、客人をもてなすときの第一候補でもあります。
厚切り豚肉と、香り豊かな下味
この「豚肉の煮込み」は、まず豚バラ肉を厚めに切るところから始まります。食べ応えのある厚切りにすることで、蒸し上がったときに肉のうま味と脂がしっかり感じられるように工夫されています。
下味には、地元の家庭で慣れ親しまれてきた材料が使われます。
- 酒や米酒
- 砂糖
- こしょう
- にんにく
- しょうが
- 複数の調味料を合わせた特製ソース
これらを合わせてじっくりと漬け込むことで、豚肉に深いコクと香りがしみ込みます。その後、肉は伝統的な方法で蒸し上げられ、柔らかくほろりとほどけるような口当たりに仕上がります。
幸運を願う「赤い色」
下味をつけた豚肉は、最後に赤いペーストで色づけされます。この赤い色には、幸運を呼び込むという意味が込められています。鮮やかな赤は、食卓を華やかにするだけでなく、「新しい一年が良い年でありますように」という願いを目に見える形にしたものでもあります。
春節に欠かせない、受け継がれてきた味
インジャンの「豚肉の煮込み」は、世代から世代へと受け継がれてきた伝統料理です。春節をはじめとする祝祭の場には欠かせない存在であり、家族が集う食卓の中心に置かれます。
トゥチャ族の家庭では、この料理は次のような場面で親しまれてきました。
- 春節などの祭りを祝うための必需品
- 遠方から訪れた客人をもてなすための一皿
一緒にこの料理を囲むことは、あいさつや言葉を超えて、連帯感や安心感を確かめ合う時間でもあります。
一皿の料理から見える春節の姿
春節のあり方を知ろうとするとき、華やかな行事に目が向きがちです。けれども、インジャンの「豚肉の煮込み」のように、家庭で受け継がれてきた一皿に注目すると、そこにはより静かで温かな物語が見えてきます。
厚切りの豚肉、香り高い調味料、幸運を象徴する赤い色――。こうした要素が組み合わさった料理には、「よい一年になりますように」「大切な人と笑顔で食卓を囲みたい」という、ごく身近で普遍的な願いが込められています。
まもなくやってくる春節シーズンに向けて、中国・貴州省インジャンの家庭料理に思いをはせながら、自分たちの暮らしの中の「年越しの味」について考えてみるきっかけにしてみてもよさそうです。
Reference(s):
cgtn.com








