中国の氷雪産業が急成長 2024〜25年冬に観光客5.2億人・6300億元予測
中国で冬の到来とともに、スキーやスケートなど「氷雪」を軸とした観光とレジャー産業が存在感を高めています。氷雪観光が中国経済の新たな成長エンジンになりつつあることが、最新の報告書や政府方針から見えてきます。
冬の到来とともに広がる氷雪観光
中国の冬季スポーツ経済が勢いを増すなか、「China's Ice and Snow Tourism Development Report (2025)」は、中国における氷雪観光の規模が一段と拡大すると見込んでいます。
同報告書によると、2024〜2025年の冬シーズンには、中国で氷や雪を楽しむレジャー観光に出かける人が5億2,000万人に達すると予測されています。観光収入は6,300億元(約860億ドル)を超える見通しです。
この報告書は、1月5日に「China Tourism Academy」によって発表されたもので、中国国内の氷雪観光市場のポテンシャルを具体的な数字で示しています。
数字で見る中国の氷雪産業
報告書と政府の指針から読み取れる、氷雪産業をめぐる主なポイントは次のとおりです。
- 2024〜25年冬の氷雪レジャー観光客数は5.2億人を見込む
- 同シーズンの観光収入は6,300億元超と予測
- 2027年までに氷雪経済の規模を1兆2,000億元に拡大する目標
- 2030年には1兆5,000億元規模をめざす長期ビジョン
いずれの数字も、氷雪産業が単なる「季節限定のレジャー」ではなく、中国の経済構造の中で無視できない存在になっていることを示しています。
2027年に1.2兆元、2030年に1.5兆元規模へ
氷雪経済の拡大は、市場の自然な成長に任せているわけではありません。中国は、政策的にもこの分野を新たな成長セクターとして位置づけています。
「General Office of the State Council」が2024年11月に公表した指針によると、中国は氷雪経済の規模を2027年に1兆2,000億元、2030年には1兆5,000億元へと拡大することを目標に掲げています。
これは、現在予測されている2024〜25年シーズンの観光収入6,300億元から見ても、数年で大幅な拡大を目指す意欲的な数字です。観光やスポーツだけでなく、関連インフラ、サービス産業、装備・用品産業などを含めた「氷雪経済圏」を総合的に押し上げていく構想だと考えられます。
なぜ中国は氷雪産業を育てるのか
氷雪産業の強化には、いくつかの狙いが重なっているとみることができます。
- 国内消費の底上げ:観光やレジャーは、家計消費を直接押し上げる分野です。氷雪観光の拡大は、内需を強化する手段としても位置づけられます。
- 地域経済の活性化:雪や氷を資源とする地域は、冬場の観光需要を取り込むことで、通年の経済活動を安定させることが期待されます。
- スポーツ・健康ニーズへの対応:スキーやスケートなどのウィンタースポーツは、レジャーと健康志向の両方を満たす分野として注目されています。
こうした要素が重なり、氷雪産業は中国にとって「観光」でもあり「スポーツ」でもあり、さらに「地域振興」でもある複合的な成長分野といえます。
日本の読者が押さえておきたい視点
日本の読者にとって、中国の氷雪産業の急成長は、単なる海外の観光ニュースにとどまりません。アジアの巨大市場で冬のレジャーがここまで戦略的な産業として位置づけられていることは、今後の観光・スポーツビジネス、さらには地域づくりを考える上でも参考になります。
とくにグローバル志向のビジネスパーソンや学生にとっては、次のような点が考えるヒントになりそうです。
- 季節や自然条件を「制約」ではなく「資源」としてどう生かすか
- 観光、スポーツ、インフラ、サービスを一体で発展させる発想
- 中長期の数値目標を掲げ、市場の成長ストーリーを描く政策のあり方
冬の寒さが厳しくなるほど、氷雪産業のポテンシャルは大きくなります。2024〜25年シーズンの予測値と、2027年・2030年に向けた目標を手がかりに、中国が描く「氷雪経済」の行方を、今後も注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Winter's arrival fuels the growth of China's snow and ice industry
cgtn.com








