2025年初の中国商業ロケット CERES-1が小型衛星5基を軌道へ video poster
2025年1月20日、中国の商業ロケットCERES-1が今年最初の商業打ち上げとして小型衛星5基を宇宙へ送り出しました。北京のロケット企業Galactic Energyが手がけるこの打ち上げは、気象観測や環境監視など、地上の課題に直結する衛星ミッションが中心です。国際ニュースとしても注目される中国の商業ロケットの動きを、日本語で分かりやすく整理します。
2025年初の商業ロケット打ち上げの概要
CERES-1 Y16ロケットは、1月20日18時11分に中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。ミッション名は「On Your Shoulders」で、太陽同期軌道と呼ばれる高度約535キロメートルの軌道に向けて飛行しました。
今回搭載されたのは、Yunyao-1 37〜40の4基とJTX A-05の1基、合計5基の人工衛星です。太陽同期軌道は、衛星が常にほぼ同じ太陽光条件で地球を観測できるため、気象や環境のモニタリングに適した軌道として知られています。
CERES-1ロケットとは
CERES-1シリーズは、北京拠点のGalactic Energyが開発する小型商業ロケットです。これまでに16回の打ち上げを行い、合計63基の衛星を所定の軌道へ投入してきました。
今回のY16機体は、四川省資陽市に新設された次世代の研究開発・生産拠点で初めて製造・組み立てられたロケットでもあります。新拠点での量産体制が整うことで、今後の打ち上げ頻度やコスト面での競争力強化につながる可能性があります。
5基の衛星は何をするのか
気象データと衛星インターネット実証のYunyao-1
Yunyao-1 37〜40の4基は、GNSS掩蔽観測ペイロードと呼ばれる装置を搭載しています。これは全球測位衛星システムの電波が大気を通過するときの変化を測定し、次のような気象データを取得する手法です。
- 大気の温度
- 湿度
- 気圧
- 電離圏の電子密度
こうしたデータは、高精度な気象予測や気候変動の分析に役立つとされています。また、これらの衛星は、鉱業分野向けの衛星インターネット星座システムの実証など、衛星インターネット関連のシナリオ検証にも活用される計画です。
環境・産業を広く支えるJTX A-05
JTX A-05衛星には、高スペクトルカメラと呼ばれる観測装置が搭載されています。これは、多数の波長ごとに地表を撮影することで、通常のカメラでは見えにくい微妙な違いを捉えるリモートセンシング技術です。
取得した画像データは、次のような幅広い用途が想定されています。
- 環境監視
- 工場などの産業排出の監視
- ガス漏れの検出
- 農業モニタリング
- 鉱物資源の探査
- 森林管理
- 都市計画
宇宙からの詳細な観測データが、産業の効率化や環境リスクの早期発見につながる点が特徴です。
次に控えるCERES-2と再使用ロケットPallas-1
Galactic Energyは、北京では次世代ロケットの開発も進めています。その一つが固体燃料を用いるCERES-2ロケットで、打ち上げ能力は約1.6トンとされています。同社の説明によると、CERES-2は2025年に4回の打ち上げを実施する計画で、初打ち上げは2025年6月を目標としています。
さらに、再使用型ロケットPallas-1については、主要な技術開発がすでにほぼ完了しており、創業者で最高経営責任者の劉百奇氏は、2025年上半期の初打ち上げを見込んでいると述べています。この方針は、2024年に開催された航空ショーの場で示されました。
中国の商業宇宙ビジネスを見る視点
今回のCERES-1 Y16打ち上げは、小型ロケットで多数の衛星を運ぶビジネスモデルが、中国の民間企業にとって現実的な選択肢になりつつあることを示しています。気象観測や環境監視、衛星インターネットなど、宇宙から得られるデータは社会インフラの一部として重要性を増しています。
日本やアジアの読者にとっても、中国の商業ロケットや宇宙ビジネスの動きは、技術競争という側面だけでなく、気候変動対策や産業のデジタル化を考えるうえで押さえておきたい国際ニュースです。今後も、民間企業による打ち上げがどのように増え、どのような新しいサービスにつながっていくのかに注目が集まりそうです。
Reference(s):
CERES-1 Soars: China's first commercial rocket launch of 2025
cgtn.com








