氷と火が出会う瞬間 2025年ハルビン・アジア冬季競技大会の聖火が点灯 video poster
2025年のアジア冬季競技大会(ハルビン大会)の聖火が、中国・黒竜江省ハルビン市の観光地「太陽島風景区」で採火されました。厳しい寒さの中で生まれた一筋の炎は、アジアの冬季スポーツの勢いと、国際大会の開幕ムードを象徴しています。
氷点下16度で成功した「氷と火」の演出
開会式を18日後に控えた月曜日、ハルビンの気温はマイナス16度まで下がっていました。それでも聖火は、太陽光を集めるシンプルな仕掛けで灯されています。
採火に使われたのは凸レンズです。アジア・オリンピック評議会(OCA)のロゴの中に配置された氷が光を集め、その焦点がトーチへと向けられることで火がともりました。真冬の氷が光を集め、火へと変わるこの演出は、「氷と火の融合」を視覚的に表現したものと言えます。
厳冬の自然条件と、人の工夫による光学的な仕掛け。その組み合わせが、冬季スポーツが持つ挑戦と情熱のエネルギーを象徴するシーンとなりました。
大会トーチのテーマは「Surging」
ハルビン大会のトーチは、デザインテーマとして英語の「Surging(サージング)」を掲げています。うねり立つ波のようなイメージを持つこの言葉には、アジアの冬季スポーツの活力と、勢いよく広がっていく情熱を重ね合わせる意図が込められています。
トーチは、そのフォルムや色づかいを通じて、冬季スポーツへの期待と、アジア各地から集まる選手同士の友情を表現しています。単なる「火を運ぶ道具」ではなく、大会の価値観やメッセージを可視化するシンボルとして設計されている点も注目すべきポイントです。
6競技・64種目 史上最多規模が見込まれたハルビン大会
ハルビンは、アジア冬季競技大会を2025年2月7〜14日に開催する予定とされています。今大会は第9回となる大陸規模の冬季スポーツイベントで、次のような規模が予定されています。
- 期間:2月7日〜14日
- 競技数:6競技
- 種別:11種別
- 種目数:64種目
- 参加選手:34の国と地域から計1,275人
参加国と地域の中には、カンボジアとサウジアラビアも含まれており、両国はアジア冬季競技大会への初参加となります。参加選手数は大会史上最多となる可能性があり、アジア全体で冬季スポーツの裾野が広がっていることを示す数字と言えます。
開催国である中国からは、170人を超える選手が出場する見込みで、大会全体をけん引する存在として期待が集まっていました。
リアルとオンラインでつなぐ聖火リレー
ハルビン大会の聖火リレーは、2月6日まで続く日程で計画されました。大会開幕前に各地を巡ることで、開催都市だけでなくアジア全体のムードを盛り上げる狙いがあります。
同時に、オンライン聖火リレーも実施されています。インターネット上での参加型イベントを組み合わせることで、現地に足を運べない人々もデジタル空間を通じて大会に関わることができる仕立てです。SNSでの共有やコメントを前提にしたこうした仕組みは、デジタルネイティブ世代にとって自然な「応援の形」になりつつあります。
氷の炎が語る、アジアの冬季スポーツのこれから
冬季スポーツは、雪や氷が身近でない地域の人にとっては、どこか遠い存在に感じられがちです。一方で、今回のハルビン大会のように、氷点下の自然環境と技術的な演出(レンズを使った採火やオンライン聖火リレー)を組み合わせる試みは、冬の競技を「物語」として伝え直す試みでもあります。
アジア各地から選手が集まり、34の国と地域が参加する大会は、「冬のスポーツは一部の地域のもの」というイメージを静かに書き換えつつあります。氷の中から生まれた聖火は、単なる儀式ではなく、アジアの多様な地域が共に挑戦し、つながり合う象徴としても受け取ることができます。
画面越しに聖火の誕生を見守り、SNSで感想を共有することが当たり前になった今、国際スポーツイベントは「ただ見るもの」から、「共に参加し、意味づける場」へと変わりつつあります。ハルビンでともされた炎は、その変化を映し出す一本の火柱と言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
Flame for 2025 Harbin Asian Winter Games lit at Sun Island Scenic Area
cgtn.com








