中国が液体ロケットエンジンを1日3回試験 高頻度打ち上げへ前進
中国が液体ロケットエンジンを1日3回試験 高頻度打ち上げへ前進
中国が日曜日、液体酸素・ケロシンを燃料とするロケットエンジンの点火試験を1日で3回連続して実施しました。国営宇宙企業の中国航天科技集団(CASC)によるこの試験は、長征ロケットシリーズの高頻度打ち上げを支える重要な一歩とみられます。
- 液体酸素・ケロシンロケットエンジンの点火試験を1日で3回実施
- 120トン級エンジン2基と18トン級エンジン1基が対象
- 次世代長征ロケットの量産と高頻度打ち上げを見据えた受入れ試験
長征ロケットの高頻度打ち上げを見据えた前例のないテスト
今回の試験では、2種類の液体酸素・ケロシンエンジンを使い、1日のうちに3回の点火試験が行われました。試験対象となったのは、120トン級エンジンが2基と、18トン級エンジンが1基です。
中国航天科技集団によると、異なる2種類の液体ロケットエンジンで、1日3回の点火試験を行ったのは中国では初めてだとされています。これは、今後の長征ロケットシリーズの高頻度打ち上げを支えるだけの試験能力と生産体制が整いつつあることを示すものです。
打ち上げ前の最終関門となる受入れ試験
今回の点火試験は、ロケットに組み込む前に行う受入れ試験に位置づけられています。受入れ試験とは、エンジンが設計通りの推力や性能を発揮できるか、信頼性に問題はないかを確認する最終チェックの段階です。
ロケットエンジンの研究開発の過程では、燃焼時間や推力、始動・停止の挙動、耐久性など、目的の異なる多数の試験が重ねられます。その中で、今回のような受入れ試験は、量産されたエンジンが基準を満たしているかを確認する意味合いが強く、打ち上げの安全性を左右する重要な工程となります。
西安・宝龍峪試験場が担う新世代エンジンの量産体制
試験が行われたのは、中国西北部・陝西省の省都である西安市の宝龍峪地区にある試験施設です。ここは、中国航天科技集団の子会社である航天推進技術研究院が運営する主要なロケットエンジン試験拠点の一つです。
宝龍峪の試験場は運用開始から20年が経過しており、近年はデジタル技術の活用や試験プロセスの技術革新が進められています。その結果、液体酸素・ケロシンエンジンの受入れ試験に向けた準備期間は、従来の5日から2日に短縮されたとされています。準備時間の短縮は、試験の回転率を高めることで、次世代ロケットエンジンの量産とタイムリーな納入を可能にし、高頻度打ち上げに対応するための生産基盤強化につながります。
液体酸素・ケロシンエンジンとは何か
今回試験されたのは、液体酸素とケロシン(灯油)を組み合わせた液体ロケットエンジンです。液体酸素は酸化剤として、ケロシンは燃料として使われ、混合して燃焼することで大きな推力を生み出します。世界の多くのロケットで採用されている燃料の組み合わせの一つであり、高い推力と比較的安定した性能が特徴とされています。
120トン級エンジンは、大型ロケットの第1段などに使われる主力級エンジンで、ロケット全体を打ち上げる際の基礎的な推力を担います。一方、18トン級エンジンは、上段や補助エンジンなど、より細かな軌道投入や姿勢制御を担う用途が想定されます。今回の国際ニュースは、こうした異なる役割を持つエンジンが同じ日に連続して試験された点で注目されます。
高頻度打ち上げ時代に向けた技術基盤づくり
衛星通信、地球観測、測位サービスなど、宇宙を利用したサービスへの需要が高まる中で、ロケットの高頻度打ち上げ能力は各国にとって重要な競争要素になりつつあります。そのためには、ロケット本体だけでなく、エンジンの開発・試験・量産を安定してこなせる体制が欠かせません。
中国で今回実施された一日3回の液体ロケットエンジン点火試験は、試験インフラと量産体制の両面での前進を示すものといえます。特に、デジタル化やプロセス改善によって試験準備期間を短縮しつつ、受入れ試験を継続的に行えるようになったことは、今後の打ち上げ頻度の増加を支える重要な要素となります。
中国は今後も、新世代の長征ロケットや各種宇宙ミッションに対応するため、エンジンの試験と量産の両面で能力向上を図っていくとみられます。今回の試験結果は、その方向性を象徴する動きとして注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








