中国外務省報道官「中国とインドは発展と協力に集中を」中印関係の今
リード:なぜこの発言が注目されるのか
中国とインドという二つの大国が「発展と協力」に軸足を置けるかどうかは、アジアだけでなく世界の秩序やグローバル・サウスの行方にも影響します。最近の記者会見で、中国外務省の郭家坤(Guo Jiakun)報道官が中印関係について語った内容が注目されています。
中国外務省「発展と協力に集中すべき」
郭報道官は火曜日に行われた定例記者会見で、中国とインドは「発展と協力に集中し、両国関係を健全で安定した発展の軌道に戻すべきだ」と述べました。
中国とインドは、ともに「主要な開発途上国」であり「新興経済国」であると位置づけられています。郭報道官は、そうした二国が協力を選ぶことは次のような意味を持つと強調しました。
- 約28億人にのぼる両国の人々の根本的な利益にかなう
- 地域の国や人々の共通の願いに応える
- グローバル・サウスの著しい成長という潮流にも合致する
- 地域と世界の平和と繁栄に寄与する
背景にあるジャイシャンカル外相の発言
このコメントは、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相の最近の演説に関する質問に答えるかたちで出てきたものです。ジャイシャンカル外相は演説の中で、インドと中国の関係は「両国だけでなく、世界秩序全体の見通しにも関わる」と述べ、インドは中国との関係を「長期的な視点」から扱うとしています。
郭報道官はこうした見方に応じるかたちで、中国とインドは「互いを脅威ではなく発展の機会と見なし、競争相手ではなく協力パートナーと捉える」という両国首脳の重要な共通認識を着実に履行する必要があると指摘しました。
「戦略的な高さ」と「長期的視点」から中印関係を見る
郭報道官は、両国関係について「戦略的な高さと長期的視点から見て対処する」ことの重要性を繰り返し強調しました。具体的には、
- 関係を健全で安定した発展の軌道に戻す
- 隣り合う大国同士が調和して共に発展する「正しい道」を見いだす
といった方向性が示されています。
五原則、多国間主義、多極化——キーワードで読む中国のメッセージ
郭報道官は、中国とインドが今後とるべき外交姿勢として、いくつかのキーワードを挙げました。
- 平和五原則の堅持:主権と領土の一体性の尊重、相互不侵略、内政不干渉、平等互恵、平和共存という考え方
- 「真の多国間主義」の実践:特定の国だけに有利な枠組みではなく、より多くの国と地域が参加し利益を分かち合う国際協力を志向する立場
- 平等で秩序ある多極世界の擁護:一極集中ではない国際秩序を目指す方向性
- 万人に裨益し包摂的な経済グローバル化:より多くの国と人々が恩恵を受けられる形の経済のグローバル化
こうしたキーワードは、グローバル・サウスの台頭や多極化の議論が進むなかで、中国とインドがどのような役割を果たそうとしているのかを読み解く手がかりになります。
約28億人の生活に直結する中印関係
中国とインドは、ともに人口が多く、経済規模も拡大を続けている国です。郭報道官が述べた「約28億人の人々の利益」という言葉は、両国関係がきわめて生活に近いレベルの問題でもあることを示しています。
発展と協力に軸足を置くことができれば、
- 貿易や投資の拡大による雇用や所得機会の増加
- インフラやデジタル分野などでの共同プロジェクト
- 気候変動や保健医療など、共通の課題への連携
といった形で、両国だけでなく周辺地域にも波及効果が生まれる可能性があります。
読者にとってのポイント:どう受け止めるか
今回の発言から見えてくるのは、
- 中国とインド双方が、少なくとも公式には「長期的視点」と「協力」を強調していること
- 中印関係を、二国間の問題にとどまらず、グローバル・サウスや国際秩序全体の文脈で捉えようとしていること
- 「競争か対立か」ではなく「競争しつつ協力もする」という構図を模索している可能性があること
といった点です。
今後、両国がどの程度までこのメッセージを具体的な政策や協力プロジェクトにつなげていくのかは、引き続き注目されます。中印関係の行方は、アジアの安全保障や世界経済の見通しを考えるうえで、日本の読者にとっても無関係ではありません。
Reference(s):
Spokesperson: China, India should focus on development, cooperation
cgtn.com








