海の女神媽祖、二つの石像がつなぐ福建と台湾―CGTNドキュメンタリーを読み解く video poster
中国福建省の湄洲島と台湾の北港には、海の女神・媽祖をかたどった二つの石像があります。台湾海峡を挟んで向かい合うこのペアの像の物語を追うのが、CGTNのドキュメンタリー『The Journey of the Goddess』です。
- 中国福建省・湄洲島に立つ媽祖の石像
- 台湾・北港の朝天宮「媽祖文化タワー」頂上の石像
- 台湾海峡を挟んで向かい合う、対になるペアの構図
- CGTNドキュメンタリーが二つの像の来歴と意味を紹介
湄洲島に立つ海の女神・媽祖の石像
福建省南東部の湄洲島には、海を見渡す高台に有名な媽祖像が立っています。海の安全を見守る女神として崇められてきた媽祖を表した石像で、毎年多くの人びとがこの象徴的なランドマークを一目見ようと訪れます。
ただ、訪れる人の多くは、この石像が「二つで一組」のペアの片方であることに気づいていないかもしれません。CGTNのドキュメンタリーは、その知られざる背景に光を当てています。
台湾・北港の媽祖文化タワーにある「もう一つ」の像
ペアのもう一方の石像は、台湾の島にあります。場所は、台湾の北港にある朝天宮の媽祖文化タワーの頂上です。ここにも同じく、海の女神・媽祖をかたどった石像が設置されています。
湄洲島を訪れた人も、北港の媽祖文化タワーを訪れた人も、それぞれの場では壮大な一体の像として受け止めているはずです。しかし実際には、この二つの石像は、海を挟んだペアとして設計された存在だとされています。
台湾海峡を挟んで見つめ合う二つの石像
ドキュメンタリーの紹介によれば、湄洲島と台湾・北港の媽祖像は、台湾海峡を挟んで互いを「見つめ合う」ように立っています。物理的な距離は離れていても、海の両側から同じ女神を仰ぎ見るという構図は、象徴的な意味を帯びます。
一方の島から海を見つめると、その先にも同じ女神が立っている――このイメージは、海を越えて共有される信仰や、地域をまたぐ心のつながりを想像させます。宗教や文化が、国境や海峡を越えて人びとを結びつける力を持つことを、静かに語りかけるような配置です。
CGTNドキュメンタリー『The Journey of the Goddess』が描く旅
CGTNのドキュメンタリー『The Journey of the Goddess』は、この二つの石像がどのようにして現在の場所に立ち、なぜペアとして構想され、台湾海峡を挟んで向かい合う存在となったのか、その経緯を伝える作品です。
単に観光名所としての紹介にとどまらず、湄洲島と台湾という二つの場所をむすぶ物語として、媽祖像の「旅路」を描いている点が特徴だと言えるでしょう。海の女神を中心に、海と人、島と島をつなぐ視点を提示することで、アジア地域の文化を日本語で知りたい読者に、新たな見方をもたらしてくれます。
海を越えて共有される信仰から考えること
海の女神・媽祖の石像が、湄洲島と台湾という二つの島に立ち、台湾海峡を挟んで向かい合っているという事実は、単なる偶然以上の意味を帯びて受け止められています。
海は時に、人びとを隔てる境界として語られます。しかし、この二つの石像の物語は、海が同時に、人びとの願いと祈りを運ぶ「つながりの場」でもあることを思い出させます。共通の女神を仰ぐという行為を通じて、離れた土地同士が、静かに、しかし確かに結びついている――そのことを視覚的に示していると言えるかもしれません。
国際ニュースを日本語で追いかける私たちにとっても、この物語は、地図上の線や距離を超えたつながりに目を向けるきっかけになります。湄洲島と台湾の媽祖像のあいだに横たわる海を想像しながら、私たち自身の「海の向こう」との関わり方を、静かに問い直してみるのも良さそうです。
Reference(s):
The Journey of the Goddess | The story of the Mazu stone statues
cgtn.com








