春節がユネスコ無形文化遺産に 家族と世界をつなぐ中国の旧正月
2025年の春節(中国の旧正月)は、ユネスコが春節を無形文化遺産に認定してから初めて迎えた節目の年となりました。中国で最も影響力のあるこの祭りは、家族の再会とにぎやかな伝統行事を通じて、中国国内だけでなく世界各地のコミュニティを結びつけています。
春節とは?中国文化の「柱」となる祝祭
春節(しゅんせつ)は、中国文化を語るうえで欠かせない「年の始まり」の祭りです。家族がふるさとに帰り、食卓を囲み、新しい一年の幸運を祈る時間として位置づけられています。
毎年の春節シーズンには、中国全土で大規模な移動が発生し、鉄道や航空網が一年で最も混み合います。それだけ多くの人が「家族と同じ時間を過ごすこと」に価値を置いているということでもあります。こうした規模と影響力から、春節は「中国で最も影響力のある祭り」とも言われます。
なぜユネスコ無形文化遺産なのか
ユネスコの無形文化遺産とは、形として残る建物や遺跡ではなく、祭り、音楽、舞踊、口承など、人々の暮らしの中で受け継がれてきた文化を守るための枠組みです。春節がこのリストに加わったことは、長い年月にわたり続いてきた暮らしの知恵や価値観が、地球規模で評価されたことを意味します。
2025年の春節は、この無形文化遺産への認定後、初めて迎えた旧正月でした。そのため各地では、伝統行事の意味を見直し、文化として次の世代にどう伝えていくかを考える動きが一段と意識されたと言えます。
中国が進める無形文化遺産の保護
中国は近年、無形文化遺産の保護に大きな力を注いでいます。春節のような祭りだけでなく、地方ごとの伝統芸能や職人技、民俗行事など、地域に根ざした文化を記録し、継承しようとする取り組みが広がっています。
こうした動きの背景には、急速な都市化や経済発展の中で「失われてしまうかもしれない日常の文化」を守ろうとする意識があります。文化は観光資源であるだけでなく、人々が自分のルーツやコミュニティへのつながりを感じるための土台でもあります。
- 地域の祭りや芸能を記録する調査・アーカイブ化
- 若い世代に向けたワークショップや学校教育との連携
- 地域コミュニティが主体となる祭りの運営支援
アフリカでも「文化を守ること」は必須の課題
無形文化遺産を守る必要性は、中国だけの話ではありません。アフリカでも、文化遺産を守ることが「必ず取り組まなければならない課題」として位置づけられています。
多くの国や地域で、グローバル化や都市への人口集中とともに、伝統的な言語や音楽、祭りが急速に姿を消しつつあります。その一方で、文化を守ることは、人々の誇りや社会の安定につながると考えられています。
アフリカで文化遺産の保護が重視されているという視点は、春節のようなアジアの祭りが世界全体の「文化を守るネットワーク」の一部になっていることも示しています。
日本の私たちにとっての春節と無形文化遺産
日本でも、春節の時期になると中華街や華人コミュニティがにぎわい、色鮮やかな飾りや獅子舞が街を彩ります。こうした光景は、春節が中国国内だけの出来事ではなく、世界に広がる祝祭となっていることを実感させます。
同時に、日本にも地域ごとの祭りや年中行事、方言や食文化など、多くの無形文化遺産があります。春節のユネスコ認定や、中国・アフリカでの文化保護の動きは、「私たちはどんな文化を次の世代に手渡したいのか」という問いを、静かに突きつけているのかもしれません。
スマートフォンで世界中の情報にアクセスできる今だからこそ、自分の足元にある文化の価値を見直すことが、グローバル社会を生きるうえでの大事な視点になりつつあります。春節というニュースをきっかけに、身近な無形文化遺産についても一度考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








