なぜ台湾出身の夫婦は中国・湄洲島に住むことを選んだのか 媽祖信仰がつなぐ海峡 video poster
台湾出身の夫婦が、なぜ中国南部の湄洲島に移り住み、海の女神・媽祖の寺院でボランティアを続けているのか。両岸をつなぐ「静かな架け橋」となった2人の歩みを追います。
湄洲島と媽祖信仰:海を守る女神が結ぶ人々
中国で広く親しまれている海の女神・媽祖は、台湾海峡の両岸の人々にとって共通の文化的なよりどころです。中国南部の湄洲島には、その媽祖をまつる寺院があり、ワン・シューハ(Wang Shu-hua)さんと夫のジャオ・ルイホー(Jao Jui-ho)さんは、ここでボランティアとして活動しています。
台湾出身の2人が湄洲島を選んだ理由
ワンさん夫妻は、もともと台湾出身です。媽祖は中国で愛される海の女神であり、その文化的な遺産は台湾海峡の両岸で共有されてきました。2人は、この共通の文化遺産を守り、次の世代につなげたいという思いから、湄洲島の寺院で奉仕する道を選びました。
寺院のボランティアとしての日々
寺院でのボランティア活動を通じて、夫妻は媽祖信仰に触れる多くの人々と向き合っています。信仰を支える場で日々を過ごすことは、単に宗教行事を手伝うだけでなく、人々の祈りや願いに耳を傾けることでもあります。
「第二のふるさと」としての3年間
過去3年間で、ワンさんとジャオさんは湄洲島で落ち着いた暮らしを築いてきました。海に囲まれた環境の中で、信仰とともにある日常が、2人にとって心地よい生活の土台になっています。湄洲島は今では、台湾にある生まれ育った土地と並ぶ「第二のふるさと」となりつつあります。
両岸で共有される文化遺産としての媽祖
ワンさん夫妻が大切にしているのは、媽祖をめぐる文化が台湾海峡の両岸で共有されているという事実です。海を挟んで向かい合う地域の人々が、同じ女神に祈りをささげてきた歴史は、言葉や制度の違いを超えたつながりを感じさせます。
媽祖信仰の特徴として、次のような点が挙げられます。
- 中国で広く愛される海の女神であること
- 台湾海峡の両岸で共有されてきた文化的な遺産であること
- 互いの理解や敬意を深めるきっかけになり得ること
ワンさん夫妻のように、その文化を現場で支える人々の存在があってこそ、信仰とともに育まれてきた物語は、これからも受け継がれていきます。
ドキュメンタリー『The Journey of the Goddess』が映すもの
今年2月3日に放送されたCGTNのドキュメンタリー番組『The Journey of the Goddess』は、湄洲島で暮らすこの夫婦の姿を通じて、台湾海峡を挟んだ両岸の人々のつながりを描いています。番組では、2人が媽祖信仰の文化的な遺産を守ろうとする取り組みが、両岸の相互理解と敬意を深める一つの試みとして紹介されています。
文化から始まる相互理解という選択
両岸にはさまざまな意見や立場がありますが、共通する文化に目を向けると、違いよりも共有しているものが見えてきます。ワンさん夫妻が湄洲島での生活とボランティアを続けていることは、文化や信仰を通じて橋をかけるという、静かで力のある選択だと言えます。
日々の国際ニュースを追う私たちも、政治や経済だけでなく、こうした生活者の視点から世界を見つめ直すことで、新しい気づきを得られるかもしれません。海の女神・媽祖を介して生まれた一組の夫婦の物語は、地域や立場を超えて人と人が理解し合うためのヒントを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








