甲骨文字が春節ロゴに 蛇年マスコット「巳巳生」に込めたデザイン
甲骨文字が春節ロゴに 蛇年マスコット「巳巳生」に込めたデザイン
2025年1月29日、世界各地の中国系コミュニティでは蛇年の到来が祝われました。それにあわせて、中国のメディアグループであるChina Media Group(CMG)は、春節聯歓晩会のために蛇年をテーマにしたロゴと公式マスコット「巳巳生」を公開し、古代の文字文化と現代のビジュアルデザインを結びつけています。
40年以上続く春節聯歓晩会と新ロゴ
CMGの春節聯歓晩会は、中国の旧暦大みそかに毎年放送されてきたバラエティ番組で、40年以上にわたり続いています。今回の最新版では、蛇年を迎えるにあたり、英語で Year of the Snake, Keep Your Spirits Awake というテーマが掲げられ、その象徴としてロゴとマスコットがデザインされました。
ロゴには公式マスコット「巳巳生」が組み込まれており、番組全体の世界観やメッセージを視覚的に伝える役割を担っています。蛇年ならではのモチーフが、幅広い視聴者に向けて発信されている点が特徴です。
甲骨文字「巳」から生まれたキャラクター「巳巳生」
巳巳生のデザインは、甲骨文字における「巳」という字形から着想を得ています。甲骨文字は、中国で確認されている最も古い文字の一つとされ、20世紀初頭に河南省安陽で発見された牛や亀などの骨に刻まれた文字として知られています。
これらの文字は、商王朝の王室が占いに用いた記録であり、当時の社会や信仰のあり方を今に伝える貴重な資料です。巳巳生は、その中に見られる「巳」という蛇を表す文字をモチーフにすることで、古代の祈りや物語と、現代の祝祭である春節をつないでいます。
古代の骨に刻まれた小さな文字が、長い時間を経て、デジタル画面に躍るキャラクターとしてよみがえる。そのギャップこそが、巳巳生の持つおもしろさと言えるかもしれません。
古代文字×現代デザインがもたらすもの
古い文字の形をそのまま再現するだけでなく、キャラクターやロゴとして再解釈することには、いくつかの意味があります。巳巳生のようなデザインがもたらす効果を、いくつかの視点から整理してみます。
- 歴史への入り口として機能します。春節の番組やポスターをきっかけに、甲骨文字や商王朝の歴史に興味を持つ人が増える可能性があります。
- 視覚的な新鮮さがあります。抽象的で記号的な甲骨文字の線は、現代のイラストやロゴデザインとも相性が良く、ミニマルで印象に残りやすい表現につながります。
- ことばとイメージを結びつけます。蛇を意味する「巳」という漢字の成り立ちを意識することで、文字が単なる記号ではなく、物語やイメージを伴う存在だと感じやすくなります。
蛇年のメッセージ「Keep Your Spirits Awake」をどう読むか
2025年の春節聯歓晩会のテーマには、Year of the Snake, Keep Your Spirits Awake というフレーズが掲げられています。蛇年と「気持ちを目覚めさせる」というメッセージを重ねることで、新しい一年に向けて前向きな姿勢を保とうという思いが込められていると受け取ることができます。
甲骨文字から生まれた巳巳生は、そうしたメッセージを過去と現在の両方から支える存在です。古代の占いに用いられた文字は、当時の人々にとって未来を見通そうとする手段でした。現代の視聴者にとっては、歴史の厚みを感じながら、自分たちのこれからを考えるきっかけになるかもしれません。
古いものを「そのまま」ではなく「いま」に生かす
2025年の蛇年に合わせて登場した巳巳生は、単なるマスコット以上の意味を持っています。甲骨文字という古代のリソースを、現代の大衆文化やデジタルデザインの文脈の中で再利用する試みでもあります。
古いものを保存するだけでなく、いまの生活や表現の中にどう取り入れるか。巳巳生と春節ロゴのデザインは、その問いに対する一つの答えを示しているようにも見えます。蛇年のあいだ、私たち自身の身の回りにも、過去と現在をつなぐモチーフがどれだけあるのか、意識してみると新しい発見があるかもしれません。
Reference(s):
Oracle bone script meets modern design in the Year of the Snake
cgtn.com








