中国の国際ニュース:古書保護マイクロドラマが配信開始 video poster
古書の保存という一見地味なテーマを、若者向けのマイクロドラマで描くシリーズが2025年11月からオンラインで配信され、中国で注目を集めています。
古書保護をテーマにした初のマイクロドラマ
このマイクロドラマシリーズは、古い書物や文献をいかに守り伝えていくかという古書保護に焦点を当てた作品で、このテーマを正面から扱うシリーズとしては初の試みとされています。
全15話構成で、1話あたり3〜5分という短さが特徴です。スキマ時間にスマートフォンで視聴しやすく、配信開始以降、特に若い視聴者のあいだで人気を集めており、古書や古典に対する関心を高めるきっかけになっています。
制作には、中国国家図書館、中国メディアグループ(China Media Group)の動画配信プラットフォーム「Yangshipin」、そしてDouyinグループ傘下の短編ドラマプラットフォーム「Hongguo」が共同で参加しています。公共図書館、国営メディア、民間の動画プラットフォームが連携し、文化財保護とエンターテインメントを結びつけている点が特徴です。
なぜ「マイクロドラマ」なのか
マイクロドラマとは、1本あたり数分の短いエピソードを連続させたドラマ形式のことです。短い尺の中に起承転結を凝縮し、スマートフォンでの視聴に特化しているため、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間に楽しみやすいスタイルと言えます。
今回のシリーズは、こうした形式を活かして、専門的で難しそうに見える古書保護のテーマを、物語として親しみやすく伝えています。短いエピソードを通じて、視聴者が「次はどうなるのか」と自然に見続けたくなる構成になっているとみられます。
古書保護を「自分ごと」にするストーリー
シリーズは、古書や古文書を守ることの大切さを物語形式で伝えることをめざしています。古書に込められた歴史や、そうした資料を次の世代に受け渡そうとする人びとの思いを描くことで、視聴者が古書保護を自分ごととして感じられるよう工夫されていると考えられます。
娯楽としてのドラマ視聴を入り口にしつつ、「なぜ古い本を守る必要があるのか」「もし失われたら何が困るのか」といった問いを自然に投げかけることで、古書保護への理解と共感を広げている点も、このシリーズのねらいの一つだと言えそうです。
図書館・文化機関にとってのヒント
今回の取り組みは、中国国家図書館などの文化機関が、動画配信プラットフォームと連携して若い世代にアプローチする一例です。日本を含む各国でも、図書館や博物館がSNSやショート動画を活用する動きが広がりつつありますが、ストーリー性のあるマイクロドラマとして文化財保護を描く手法は、今後の発信のヒントになりそうです。
今回の事例が示すポイント
- 専門的なテーマでも、短いドラマ形式にすることで若い世代に届けやすくなる
- 図書館、メディア、動画プラットフォームが連携することで、文化発信の幅が広がる
- 文化財を守ることは「保存」だけでなく、その価値を共有し、共感を広げるコミュニケーションでもある
このマイクロドラマシリーズについては、国際ニュースを伝えるCGTNの楊燕(Yang Yan)記者も、現場の様子や制作の背景を取材しています。古書という一見遠い存在を、数分の映像でどう身近に感じさせるのか。文化を守りながら、どう伝えていくかを考えるうえで、注目しておきたい試みと言えるでしょう。
Reference(s):
Micro-drama series about preserving ancient texts launches online
cgtn.com








