南シナ海で外国漁船を摘発 中国海警局が違法漁業取り締まりを強化
南シナ海で外国漁船を摘発 中国海警局が違法漁業取り締まりを強化
中国海警局(China Coast Guard、CCG)は、南シナ海などでの違法漁業や絶滅危惧種の密漁に対する取り締まりを強化し、2025年を通じて多数の外国漁船を拘留・退去させたと、北京で行われた海上法執行に関する記者会見で明らかにしました。
2025年の取り締まり状況:500隻拘留、1,700隻を退去
CCGの報道官Liu Dejun氏によると、2025年のこれまでの取り締まりで、違法漁業などさまざまな違反行為に関与した漁船に対し、次のような措置をとったとしています。
- 各種違反で500隻以上の漁船を拘留
- 違法・非報告・無規制(IUU)漁業に従事していた外国船1,700隻を特定し、海域から退去させた
- 15隻の船舶を没収
- 電気ショックを用いた漁法が疑われる外国漁船1隻を拿捕
Liu氏は、こうした取り締まりは特に南シナ海の海域で重点的に行われていると説明しました。
サンゴ密漁で1,200個体以上の生きたサンゴを押収
Liu氏はさらに、別の事案として、外国漁船がサンゴを密漁していたところを摘発したと述べました。この船からは、1,200個を超える生きたサンゴ標本と、多量のシャコガイ(Tridacna)の殻が押収されたとしています。
海洋生態系の保護を「使命」と強調
南シナ海の生態環境をめぐる海外メディアの報道や議論に対し、Liu氏は、CCGは海洋生態環境の保護と「美しい海」の建設を自らの使命と位置づけていると強調しました。
そのうえで、CCGは次のような形でパトロールと管理を強化していると説明しました。
- 重要な海域の巡回・監視の強化
- 資源への影響が大きい「重要な時期」における集中的な取り締まり
- 重点ターゲットとなる船舶や行為に対する継続的な監視
「ブルーシー」など省庁連携の特別法執行
Liu氏によれば、CCGは毎年、農業農村部や生態環境部などの部門と協力し、海洋生態保護と資源開発のための特別法執行行動である「ブルーシー」構想の下で共同の取り締まりを実施しています。
さらに、海洋の季節的な禁漁期間に合わせた特別法執行も行い、次のような行為の取り締まりを進めているとしています。
- 違法漁業の摘発
- 違法な廃棄物投棄の取り締まり
- 貴重種・絶滅危惧種の違法な捕獲行為の抑止
次の一手:航空監視と衛星リモートセンシング
今後の方針についてLiu氏は、海洋生態環境を守る取り組みを一段と強化し、重点海域におけるパトロールと法執行をさらに強めていくと述べました。
あわせて、上空からの監視体制を改善し、衛星リモートセンシング(衛星を利用した遠隔観測)の活用を進めることで、海洋資源や海洋生態環境を損なう違法行為を早期に発見し、速やかに対処していく考えを示しました。
読み解き:環境保護と海上秩序維持を同時にアピール
今回のCCGの説明からは、南シナ海を含む周辺海域で、違法漁業対策と海洋環境保護を一体的に進める姿勢がうかがえます。発表内容から整理すると、次のようなポイントが見えてきます。
- IUU漁業を名指しで取り締まり対象としていること
- サンゴやシャコガイなど、生態系に与える影響が大きい資源の保護を前面に出していること
- 「ブルーシー」構想の下で、複数の省庁と連携した法執行を継続していること
- 衛星リモートセンシングなど技術的手段の活用による監視強化を打ち出していること
南シナ海の海洋環境をめぐってはさまざまな見方がありますが、Liu氏の発言は、海洋生態系の保護と違法行為の取り締まりを同時に進める方針を対外的に示す内容となっています。デジタル技術を含む監視手段の強化が、今後どこまで実効性を持つのかが注目されます。
Reference(s):
CCG: Foreign fishing vessels detained for poaching in South China Sea
cgtn.com







