中国春節連休、高速道路でEV充電が過去最高ペースの予測
中国の高速道路で、春節(旧正月)連休中の電気自動車(EV)の充電量が過去最高を更新する見通しであることが分かりました。国際ニュースとしても注目されるこの動きは、中国での新エネルギー車(NEV)の急速な普及と、充電インフラ整備の進展を象徴しています。
春節連休の高速道路でEV充電が「過去最高ペース」に
中国の送電大手、State Grid Corporation of China(国家電網公司)のデータによると、2024年末時点の見通しでは、2025年1月28日に始まる8日間の春節連休期間中、高速道路でのEV充電量が記録的な水準に達すると予測されていました。
具体的には、連休期間中の高速道路における1日あたりの充電量は、平均で750万キロワット時を超える見込みで、前年同期比で52%の増加とされています。また、連休中の単日の最大充電量は900万キロワット時を上回ると予測され、こちらも前年から34%増えるとされました。
- 対象期間:2025年1月28日からの8日間の春節連休
- 1日平均の高速道路充電量:750万キロワット時超(前年同期比52%増)
- 想定される単日の最大充電量:900万キロワット時超(同34%増)
- 連休前のピーク移動日:1月26日・27日
- ピーク時間帯:両日とも午前9時〜午後9時
春節は中国で一年のうち最も大きな帰省・旅行シーズンであり、高速道路の交通量が急増します。そこにEVの急増が重なることで、高速道路の充電ニーズも急激に高まる構図が浮かび上がります。
NEVは10年で260倍、3,140万台に
今回の予測の背景には、中国における新エネルギー車(NEV)の爆発的な増加があります。データによると、中国で実際に走っているNEVの台数は、2024年末時点で3,140万台に達しました。これは過去10年で約260倍に膨らんだ計算です。
この急拡大を支えた要因としては、次のような点が挙げられています。
- NEV関連技術の進歩(航続距離の延長や性能向上など)
- 充電インフラの整備が進んだこと
- 環境への配慮やエコ意識の高まり
春節連休のように、短期間に大量の移動が集中する時期は、こうしたNEVの増加がインフラにどの程度負荷をかけるのかを確認する重要な「試金石」となります。
高速道路サービスエリアの98%に充電設備
急増するEV需要に対応するため、中国では高速道路の充電インフラ整備が加速してきました。2024年末時点で、高速道路のサービスエリアの98%に充電設備が設置されており、その数は3万5,000基に達しています。
ほぼ全てのサービスエリアでEVを充電できる水準まで来たことで、長距離ドライブにおける「充電できる場所が見つからない」という不安は、以前に比べて大きく軽減されつつあると考えられます。一方で、春節前後のようなピーク時には、
- 1か所あたりの充電器の台数
- 充電待ち時間の長さ
- 料金設定や支払いのしやすさ
といった要素が、利用者の体験を左右します。今回示された大幅な需要増予測は、インフラ整備の「量」だけでなく、「使いやすさ」や「混雑の平準化」といった質の面での工夫も求められていることを示唆しています。
日本の読者にとっての示唆
日本の読者にとって、この国際ニュースは単なる海外動向にとどまりません。春節のような大規模な移動シーズンに合わせて、どこまで事前にインフラを整え、需要ピークを見越した運用を行うのかという課題は、多くの国や地域に共通するテーマです。
中国での事例は、次のような問いを投げかけています。
- EV・NEVが一定規模に達したとき、高速道路など長距離移動のインフラをどう設計すべきか
- 単に充電器を増やすだけでなく、時間帯別の需要をどう平準化していくのか
- 利用者の環境意識の高まりを、より持続可能な移動システムづくりにつなげるにはどうすればよいか
春節連休中の高速道路で予測される記録的なEV充電需要は、エネルギー、モビリティ、環境の三つが交わる最前線の現場でもあります。こうした動きを丁寧に追うことは、日本から世界を見る視点をアップデートする一つのきっかけになりそうです。
Reference(s):
China's highways to see record EV charging during Spring Festival
cgtn.com







